たちばなです。
2021年9月19日をもちまして、たちばなはじめは50歳になりました。
引き続き、全力で取り組んでまいります<(_ _)>
本日の投稿は、「有事の資金繰り改善の取り組み」 に躊躇されている方へ送るメッセージです。
「最大静止摩擦力」とは?
【粗い面上に静止した物体に力を加えたとき,物体が動きだすのを妨げるようにはたらく摩擦力を 静止摩擦力 という.静止摩擦力の大きさは,物体がすべりだす直前に最大となり,これを最大摩擦力という】
西日本の某所の不動産投資家さんからご相談いただいた。
Fさん。50代男性。
数年前に、その方が代表を務める「不動産大家の会」で講演させて頂いたことをキッカケにWEB上のお付き合いが続いていた。
昨年末にFさんから「私の物件に住まう入居者の相談を受けてやって欲しい」と。
不動産投資家さんや大家業の方からの相談はこれまでもチョイチョイあったんだけれど、同業者の仲間の紹介だったり、友人で会ったりしたことが殆どだった。
自分の物件の入居者について紹介を受けたのは初めてだった。
ワタシもこれまで、青森市で約4年、足利市で約1年、東京神保町で約2年ほど居住を目的とする部屋を賃借したことはあるけれど・・・大家さんに悩みを打ち明ける様な関係性が構築できたことは無い。
青森でも足利でも大家さんに会えばモチロン挨拶はしたけれど、神保町はどんな人かもわからなかった。
管理会社との電話ばかりで会う用事なんか無いもん。
それだけにFさんの人柄と言うか人望に関心を持ったことは間違いない。
大家と入居者の関係性は「債権債務の関係性」である事は間違いない。
入居者の生活が安定し、大家に家賃がきちんと支払われていれば、双方の関係性は総じて良好なのであろう。
しかし、入居者の収入が安定せず、家賃が遅れたり滞ったりする場合は、押して知るべし、と言ったところか。
ワタシもSNS上で多くの不動産投資家や大家業の方々とつながっている。
一部の投稿で、入居者からの入金が不調による事の対策や、逃亡された入居者の「後始末」についての投稿が散見される。
こういう事も含めて、大家と入居者の関係性は、いわば「銀行と事業主」の関係性なのだ。
貸したり借りたりする対象物が、不動産か?現金か?の違いでしかない。
Fさんの設えたZOOM環境で、入居者のVさんとお目にかかった。
Vさんも50歳男性。
とある事業所で2tトラックの運転手を務めているそうだ。
勤続は30年になるという。
約600万円ほどの借金について、債務整理の相談に出かけたところ、破産する事を勧められたようで、一度は破産する事で段取りしたが管財人費用の30万円を支払えずにいたところ、契約解除されてしまったんだそうだ。
先方だって仕事でやっている事だから、おカネを支払わなければ契約解除も仕方ないんだろうが・・・なんとも世知辛い。
ワタシから
・破産する事とのメリットとデメリット、そして破産しない事のメリットとデメリットをお話しした。
この件はどちらの手段を取るにしても、Vさんに一定のデメリットが生ずる案件だった。
どのデメリットが我慢出来て、どのデメリットが我慢できないのか?を探るような内容の面談になった。
・破産費用の30万円が用意できないのなら、勤続30年の会社を退職すればそれなりの退職金は出るだろうから、それを充当すれば問題ない。
でも、後に職探しはしなければならない。また、破産するのならいくらか貯えがあった場合はそれも手放さなければならない。
尤も30万円が支払えなかったのか?支払わなかったのか?は解らないが、その状態を想像すれば「手持ちの金額」は推して知るべし。
・転職が嫌なら、破産しても解雇事由にはならないので、30万円の調達は別の手段を取らなければならない。
・たちばなはじめのアドバイス費用は初回無料だし、この件で30万円も貰うつもりもないが、転職してもらう必要がある。
ただ、破産はしない方向なので、いくらかの手持ち金は維持できる可能性が高い。
上記に関する事でのメリットとデメリットをご案内したんだが、Vさんの表情は冴えない。
30年に亘り、同じ会社で運転手を務めてきたVさんにとって「転職」は非常に高いハードルなのだ。
そんなにメリットがある仕事なのか?と言えば、管財人費用の30万円が調達しにくい収入なのだろうからそうでもない・・・・と思うのはワタシの価値観なのであってVさんの価値観ではない。
また、自身の年齢と「コロナ禍」もあり、再就職には困難を極める、と想像したのだろう。
ワタシも、一昨年に「たちばなはじめ休業」をした都合上、一時的に転職する為に就職活動したが、そんなに困難とは感じなかった。
現在は、サラリーマンを辞められる環境にはあるが、引き留めてくれる人がいたし、あえてやめる事もあるまい、とバイトとして残ってはいる。
ワタシにとって転職など、そんなに難しくも無いのだが、Vさんには途方もなく高いハードルなのだろう。
面談の最後に期日を決めて「ワタシの継続的なアドバイスが必要ならまた連絡ください」として、面談終了した。
一週間ほど経過したが、Vさんからは連絡はない。
それもそれでVさんの人生。
ただ、善意の紹介者であり大家さんのFさんには金銭的迷惑が掛からないように望んでいるけれど。
腰の軽い人間は、「環境が変わる事」について、抵抗を感じない。
つまり静止摩擦力が低いのだ。
勤続30年の人間は、「環境を変えずに生きて来た」ことで、そう言う環境になった際に強い抵抗を感じる。つまり静止摩擦力が高いのだ。
「たちばなはじめ再始動」を実行して間もなく5か月目に入るが、
高崎のとある女性事業主は当初の面談ではワタシのアドバイスに喜々とし、実行には腰が軽くホイホイ指示通りに動いてくれた。
大阪のとある男性事業主は当初の面談ではワタシのアドバイスに疑心暗鬼し、実行には腰が重くナカナカ実行されなかった。
とは言え、双方のクライアントとも数か月ほどお付き合いしていて・・・・・だいぶ問い合わせの回数が減ってきた。
最大静止摩擦力の大小はあれど、いざ事が動き出すと・・・動き始めの時よりは摩擦が減り、抵抗が薄くなるのは物理でもコンサルでも同じ、という事だ。
本件のVさんの「最大静止摩擦力」が非常に大きく、今回は動くに至らなかった。
ただ、その「動きだし」を勇気を出して進めてみると、後々の抵抗感は思ったよりかなり少ないものなのだ。
最大静止摩擦力は、動き出しこそが最大なのであって、その最大の摩擦力は長く続かないのは、物理であっても人生であっても同じである事は間違いない、と悟った。
【同じことを続けて違う結果を望むことは狂気である : アインシュタイン】
【強い者も賢いものも生き残らない。唯一変化出来る者だけが生き残る : チャールズ・ダーウィン】
【新しいことを始める時、いつもそれは不可能に感じる : ネルソン・マンデラ】
この言葉をVさんに伝える事を忘れていたので、本文に記載する。
有事に追い込まれた際には、「変わる努力」は必要だね。
皆さんに伝えながら、自分にも言い聞かせますよ(^-^)
では、今週の水曜日は15時から東京神田定例セミナー。
丁寧にお話ししますし、個別面談もご要請頂ければ神田にてお受けします。
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最新セミナーの詳細はこちら
追伸:
ファミマから戻ってきた妻が不機嫌な様子。
店員:
「お客様にクジを引いて頂いております。現在はコロナ禍ですのでお客様に変わり私がクジを引かせて頂きます。あ、はずれですので応募券になります。ありがとうございましたぁ~。」と言われたんだそうだ。
「勝手にクジの対象者にされて、勝手にクジ引かれて、勝手にはずれにされて・・・あたし、なんにもしていない!」と、チョー不機嫌でワタシに八つ当たり。
ワタシもコロナ禍の被害者だね(-_-;)
ワタシは翌日、その同じファミマで同様に勝手にクジを引かれたが「杏仁豆腐ヨーグルト」が当たった事は妻には報告していない(笑)