資金ショートとは?黒字でも起きる原因と対処法…融資で埋めずに手元のお金を守る

黒字でも起きる資金ショートに備え、入金・支払い・返済の確認を伝えるたちばなはじめ

「今月末の支払いに、お金が足りないかもしれない」

「来月の返済日に、通帳の残高が届かない」

そんな不安が頭から離れず、通帳を開くのが怖くなっていませんか。

それが、資金ショートの入り口です。

資金ショートの対策というと、まず融資を思い浮かべる社長が多いはずです。

ですが、足りない分を借りて埋めても、お金が足りなくなった原因はなくなりません。

では、そもそも資金ショートとは、どんな状態を指すのでしょうか。

目次

資金ショートとは?意味と赤字との違い

資金ショートとは、支払いに必要なお金が手元に足りなくなることです。

「資金不足」「資金が尽きる」「資金繰りが行き詰まる」と言い換えることもできます。

決まった日に払うはずのお金が払えなくなると、信用に響いてきます。

給料が遅れれば従業員の気持ちは離れ、仕入れ代金が遅れれば取引先との付き合いも続けにくくなります。

そして見落としがちなのが、会社の動きが止まるのは、赤字になったときではないということ。

支払いに回すお金が尽きたときです。

赤字でも、手元に現金があれば支払いは続けられます。

反対に、決算が黒字でも、現金が尽きれば支払いは止まってしまいます。

黒字でも資金ショートが起きる原因

「決算は黒字だから、うちは大丈夫」

そう思っている社長ほど、気をつけてください。

利益と手元のお金は別のものです。

たとえば、売上が立っても、入金は60日後という取引があります。

そのあいだにも、仕入れ代金や外注費、給料の支払いはやってきます。

受注が増えると、仕入れや外注費が先に出ていくぶん、入金までのあいだ手元のお金は減りやすくなります。

もう1つ大きいのが、借入の返済です。

借入の返済のうち、決算で経費になるのは利息だけ。

元本は手元のお金から返していきます。

つまり決算が黒字でも、本業で残るお金より返済のほうが多ければ、その差の分だけ手元のお金は減っていきます。

資金ショートを招く主な原因は、次のとおりです。

  • 売上の入金より先に、仕入れや外注費の支払いが来る
  • 本業で残るお金より、借入の返済のほうが多い
  • 売れ残った在庫に、お金を使いすぎている
  • 売上が減っても、毎月の支払いが変わらない
  • 取引先の倒産などで、入るはずのお金が入らない

どれも、決算書の利益を見ているだけでは、いつ手元のお金が足りなくなるかまではわかりません。

だからこそ、数字、とくに現金の流れから目をそらしてはいけないのです。

売上の入金は60日後でも仕入れや給料の支払いが先に来る、利益と現金のずれの例

資金ショートが近い会社に出てくるサイン

資金ショートの前には、たいてい次のようなサインが出てきます。

  • 入ってくるお金より出ていくお金のほうが多い月が続いている
  • 資金繰り表を見るのが怖い
  • 返済日が近づくと胃が痛くなる
  • 「あと何か月でお金が尽きるか」を計算している
  • リスケジュール(返済条件の変更)を考えている

当てはまるものがあれば、会社はすでに非常時に入っている可能性が高いです。

非常時とは、資金繰りが苦しくなり、いつもどおりの経営判断では乗り切れない状態のことです。

「うちはまだ大丈夫」と思っていても、周りから見れば非常時であることは多いのです。

しかも、現金は減り始めると、思っている以上に早くなくなっていきます。

時間をかければかけるほど、どんどん資金は逃げていってしまうのです。

足りない分を融資で埋めてはいけない

お金が足りないとわかったとき、多くの社長が真っ先に考えるのが追加の融資です。

「とにかく借りて、今月を乗り切ろう」

その気持ちは痛いほどわかります。

ですが、、、

足りない分を借りて埋めれば、その返済のためにまた借りることになります。

借りて返すのは、一番やってはいけない資金繰りです。

借りれば、今月の足りない分は埋まります。

でも、足りなくなった原因はそのまま残ります。

借入が増えたぶん返済も増えるので、来月以降はもっと足りなくなってしまう。

そうして借りては返すうちに、借入はじわじわと膨れ上がっていきます。

しかも、融資は銀行にとっての投資です。

手元に100万円ある会社と、10万円しかない会社。

あなたが貸す側なら、どちらに貸すでしょうか?

銀行も同じで、お金のあるところには貸したがりますが、お金のないところには貸したがりません。

資金ショートが迫ってから頭を下げに行っても、思うように借りられないのはそのためです。

断られると、次に目が向くのが金利の高いローンや、手数料のかかるファクタリング。

手っ取り早くお金を作ろうとするほど、あとの資金繰りはさらに苦しくなります。

借りるなとは言いません。

ただし、借りるなら返せる見通しを立てたうえで、お金があるうちに。

資金ショートが迫ってから、最初に考えることではないのです。

3か月の入出金、返済を除いた本業の収支、支払いの優先順位を確かめる3つの手順

資金ショートが迫ったときの対処法

では、どうすればいいのか。

売上を増やす、経費を削るといった平常時の手も、非常時には間に合いません。

売上を増やそうとすれば、広告や人手、仕入れに先にお金が出ていくからです。

経費も、削れるところはすでに削っている会社がほとんどでしょう。

まず守るべきは、手元のお金です。

やることは次の3つです。

  1. これから3か月の入金と支払いを日付ごとに書き出す
  2. 本業の入金で返済以外の支払いをまかなえているかを確かめる
  3. 足りないときに誰への支払いを先に守るかを決める

1つ目は、いつ、いくら足りなくなるのかを知るためです。

決算書ではなく通帳をもとに、入ってくるお金と出ていくお金を書き出します。

手書きでもかまいません。

2つ目は、足りなくなる原因を分けるためです。

借入の返済を別の行にして、返済を除いた数字を見てください。

返済を除けば足りるなら、原因は本業ではなく、返済の重さにあります。

返済を除いて足りない月があっても、次の入金で戻るなら、原因は入金と支払いの時期のずれです。

この場合は、入金を早められないか、売れ残った在庫をお金に換えられないかを先に当たります。

それでも足りない分を借りるなら、次の入金で返せる額までにとどめてください。

返済を除いても毎月足りないなら、本業の続け方そのものを考え直す段階です。

会社を小さくするのか、事業から手を引くのかを、お金が残っているうちに決めていきます。

そして3つ目が、一番大事なこと。

お金が足りない以上、すべての支払いを同時に守ることはできません。

そこで決めておきたいのが、お金の優先順位です。

たちばなはじめのお金の優先順位は、次の5つです。

カッコの中は、それぞれにあたる支払いです。

  1. 家族(社長と家族の暮らしに要るお金)
  2. 従業員(給料)
  3. お客(注文を受けた商品やサービスを届けるためのお金)
  4. 協力企業(仕入れ先や外注先への支払い)
  5. 銀行(借入の返済)

家族・従業員・お客・協力企業を守るのが先で、銀行への返済は一番最後にする。

これがたちばなはじめのコンセプトです。

「銀行を後回しにしたら、事業が続けられなくなる」と思われるかもしれません。

ですが、銀行への返済を続けるために給料や仕入れ代金が払えなくなれば、それこそ事業は続けられません。

返済が重いなら、無理な返済を続ける前に、金融機関との交渉方法を見直してください。

交渉と聞いて、リスケジュールが頭に浮かんだ社長もいるでしょう。

ただ、リスケジュールに入っても、軽くなるのは毎月の返済額だけです。

借入そのものが減るわけではなく、返済はその先も続きます。

返す力が足りないまま返済を続ければ、手元のお金は減り続けてしまいます。

お金が残っているうちに手を打つ

金融機関との交渉方法をどう見直すかは、会社ごとに違います。

ただ、どの会社にも共通することがあります。

お金が残っているうちに手を打てば、お金は残ります。

お金がなくなってからでは、残すのが難しくなってしまいます。

会社と社長にお金を残す基本的な考え方は、たちばなはじめが書き下ろした無料の電子書籍『会社と社長にお金を残す資金繰り改善の教科書』にまとめています(公式LINEを友だち追加するだけで届きます)。

教科書の内容を概論としてお伝えするセミナーも、定期的に開催しています。

黒字でもお金が足りなくなる理由や、融資を断られたあとのことは、次の記事でもくわしく取り上げています。

すでにお金が足りず、支払いが止まってしまった社長も、「もう終わりだ」と結論を急がないでください。

たちばなはじめ自身も、多額の負債を抱えて資金ショートに追い込まれた経験があります。

そこから金融機関との交渉方法を見直し、法的な手続きに頼ることなく再起しました。

資金が尽きたあとでも、打てる手は残っています。

足りなくなる日が見えたときも、もう足りなくなったときも、借りに行く前に、無料の個別相談でいまの状況をお聞かせくださいね。


黒字でも起きる資金ショートに備え、入金・支払い・返済の確認を伝えるたちばなはじめ

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