【2026年】コンビニオーナーの赤字が続く原因…自分と家族のシフトも時給に直して採算を確かめる

自分と家族のシフトも時給に直して採算を確かめるよう伝えるたちばなはじめ

2026年10月28日、福島県会津若松市でコンビニを3店舗経営していた会社が、10月16日に破産手続きの開始決定を受けていたと報じられました。

帝国データバンクによると、来店客数の減少と固定費の増加に、人手不足と人件費の上昇も重なり、業績の改善のめどが立たなくなったそうです。

コンビニは、毎日お客さんが来て、毎日レジにお金が入る商売です。

それでも、お客さんが減り、時給が上がり続けると、店を開けているだけで苦しくなっていきます。

アルバイトが集まらない時間を、オーナーである社長や家族がシフトに入って埋めている店もあるでしょう。

では、社長や家族が埋めている時間の分も時給を払ったとしたら、あなたの店に利益は残るでしょうか。

目次

会津若松でコンビニ3店舗の運営会社が破産

テレビユー福島が、帝国データバンクの情報として伝えた内容の要点は次のとおりです。

福島県会津若松市のコンビニ運営会社が、10月16日に福島地裁会津若松支部から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約5,600万円。

2018年に設立され、大手コンビニチェーンの加盟店として、会津若松市で3店舗を経営していた。

コロナ禍以降、来店客数の減少と固定費の増加もあり、2025年6月期は売上高約3億円に対して赤字となり、債務超過に陥っていた。人材不足や労務費の上昇もあって業況改善のめどが立たず、事業の継続を断念した。

— 2026年10月28日、テレビユー福島の報道(帝国データバンク調べ)より要点を整理

債務超過とは、会社の負債が、会社の持っている資産を上回っている状態のことです。

年に約3億円の売上があっても、それだけで店を続けられるとは限りません。

この会社の経営の中身について、報道で分かるのはここまで。

続いて、どのコンビニにも共通する事情をお伝えします。

お客さんが減っても人件費は上がっていく

コンビニ業界全体を見ても、店に来るお客さんの数は減っています。

日本フランチャイズチェーン協会が、正会員7社のコンビニを集計した統計の要点は次のとおりです。

2025年は、すべての店を合わせた来店客数が約163億人で、前年より0.2%減り、4年ぶりのマイナスとなった。売上高は約12兆円で、前年を2.2%上回り5年連続のプラス。1人あたりの平均客単価は737.9円で、前年より2.5%上がった。

2026年9月は、すべての店を合わせた売上高が前年同月より0.4%増えた。前年の同じ月も営業していた店(既存店)の来店客数は前年同月より3.8%減り、15か月連続のマイナス。平均客単価は21か月連続のプラスだった。

— 日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計調査」(2025年の年間集計・2026年9月度)より要点を整理

1人あたりの買い物の額は増えていても、店に来る人の数は減っているということです。

ところが、お客さんが減ったからといって、店に置く人を同じように減らせるわけではありません。

深夜や早朝も店を開けていれば、お客さんの少ない時間でも、レジに立ち、品出しや掃除をする人が要ります。

そこへ重なるのが、毎年の最低賃金の引き上げ。

2026年度の最低賃金は、全国加重平均で1,177円と、前年度より56円上がりました。

多くの都道府県では10月に、遅いところでは12月に、新しい金額に切り替わります。

時給が全国加重平均と同じ56円上がると、1人を24時間置いておくだけで、1日に1,344円、30日で4万320円の人件費が増えます。

同じ時間に2人を置くなら、その倍。

店を3つ持っていれば、さらにその3倍です。

深夜の割増賃金がつく時間帯は、増える額がさらに大きくなります。

業界全体の売上の伸びは、2025年の1年間で2.2%、2026年9月は前年同月より0.4%でした。

一方で、2026年度の最低賃金の引き上げ率は、全国加重平均で5.0%。

売上の伸びがこの程度にとどまれば、時給を最低賃金に近い金額で払っている店では、人件費のほうが売上より速く増えていく計算です。

来店客数が増えないなかで、その差を売上で埋めるのは簡単ではありません。

近くに住む人が毎日使う店だからこそ、営業時間を短くしたり、店を閉めたりする決断もしにくいものです。

家族が働く時間に時給を掛けて店ごとの採算を確かめる図

社長と家族が入るシフトは帳簿に出ない人件費

人件費が上がったとき、まず思いつくのは、人を雇う時間を減らすことかもしれません。

アルバイトが見つからない時間や、人件費を払いきれない時間に、社長自身や家族がシフトに入る。

給料を払わずに済むぶん、帳簿に載る人件費は増えません。

ですが、増えるはずだった人件費を、社長と家族の時間で肩代わりしているだけで、店の稼ぐ力が上がったわけではありません。

たとえば、社長が1日8時間、月に25日シフトに入っているとします。

同じ時間を時給1,200円で人に頼めば、月に24万円かかる計算です。

社長が入っているのが夜10時から朝5時までの深夜なら、人に頼めば深夜の割増賃金も上乗せになります。

時給は、あなたの店でアルバイトに払っている金額に置き換えてください。

店の毎月の利益からこの24万円を差し引いても、まだ利益が残るでしょうか。

家族もシフトに入っているなら、その時間も同じように時給に直して差し引きます。

差し引いて赤字になるなら、その店は、社長と家族が働いた分に見合うお金を受け取らずに支えている状態です。

店を2つ、3つと持っている場合は、この計算を1店ずつ行います。

会社全体の数字だけを見ていると、利益の出ている店の陰に、赤字の店が隠れてしまうことがあるからです。

では、計算して赤字になった店は、社長と家族がもっとシフトに入れば支えられるのでしょうか。

たちばなはじめはセミナーで、経費を減らすことには限界があると話しています。

人件費を削れば人手が足りなくなり、電気代を削れば店が暗くなる。

経費は、削っても店が回るところと回らなくなるところを見きわめながら減らすもので、いくらでも削れるわけではありません。

社長と家族の働く時間を増やして人件費を浮かせるやり方も、同じことです。

社長が体調を崩せば、シフトに入れる人がいなくなるうえ、家族の暮らしまで揺らいでしまいます。

続けるならせめて本業で利益が出る見込みを持つ

事業を続けるかどうかについて、たちばなはじめはメルマガではっきりこう書いています。

「事業を続けたいならせめて営業利益は捻出しましょう」

営業利益とは、売上から仕入れや人件費、家賃などの経費を引いたあとに残る、本業の儲けのことです。

コンビニに当てはめれば、社長と家族の働き分を人件費として差し引いても、本業で利益が残るかどうかが分かれ目です。

いまは残らなくても、残せる見込みがあるなら、続けるための手を打つ意味があります。

たとえば、利益の出ない店を閉めてその人手を残りの店に回せるか、人の集まりにくい時間帯の営業を本部と話し合えるか、といったことです。

反対に、見込みがないまま、社長と家族のシフトや貯金の取り崩しで足りない分を埋め続ければ、時間も手元のお金も減っていく一方。

足りない月を借入でつなげば、その月の給料は払えます。

ただ、本業で利益が出る見込みがないまま借りれば、その返済が毎月の支払いに加わるだけです。

手元にお金が残るうちに店ごとの利益、営業時間、閉めるときの費用を考える図

店の資金繰りを家族の我慢でつながない

店を開け続けることが、お客さんや本部への責任だと考える社長もいるでしょう。

ですが、その責任を果たすことと、社長と家族が我慢を重ねることは、別の話。

たちばなはじめが繰り返し伝えているとおり、資金繰りは我慢してはいけません。

我慢を続けて手元のお金が尽きてしまうと、店を閉めることさえ難しくなりかねません。

フランチャイズの契約では、期間の途中でやめるときの条件や違約金が決められていることがあります。

店の数を減らすにも閉めるにも、お金と時間がかかる場合があるのです。

その費用まで払えるお金が残っているうちに動き出せば、店ごとに選べる手は多くなります。

すでに支払いが苦しくなっている方も、あきらめるのは、まだ早い。

店を閉めることになっても、そこで社長と家族の暮らしまで終わるわけではありません。

閉めるならどの店からか、閉めるときに要るお金をどう残しておくか。

破産などの裁判所の手続きに頼らずに店を閉められるかどうかも含めて、いまの状況で選べる道を一緒に確かめます。

人件費の上昇と給料の払い方については、次の記事でも取り上げています。

店のお金の流れをつかむ考え方は、無料の電子書籍『会社と社長にお金を残す資金繰り改善の教科書』でお伝えしています(公式LINEを友だち追加するだけで届きます)。

教科書の内容を、たちばなはじめが直接お話しするセミナーも、定期的に開いています。

無料の個別相談では、1店ずつの数字をもとに、手元にお金を残す進め方を考えます。

来月のシフト表を、社長と家族の名前で埋めてしまう前に、お話を聞かせてください。


自分と家族のシフトも時給に直して採算を確かめるよう伝えるたちばなはじめ

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