2026年6月、個人の自己破産が13年ぶりの高い水準にのぼった、というニュースが報じられました。
こうした見出しを目にすると、「会社がだめになったら、自分も終わりだ」と、不安が頭をよぎる社長もいるかもしれません。
ですが、ちょっと待ってください。
会社の倒産と、社長個人の破綻は、もう同じではありません。
法人と個人は、もともと別人格。
早めに動けば、会社をどうするかという問題と、社長個人や家族の生活を守ることは、切り分けて考えられるんです。
個人の自己破産はなぜ増えているのか?
まずは、報じられた数字を確認してみます。
AIで「個人 自己破産 件数 推移」について調べてみると、こんな解説が出てきます。
2025年の個人の自己破産は約8万3千件(速報値)で、2012年以来13年ぶりの高い水準となった。3年連続の増加で、背景には物価高による実質賃金の目減りがある。ただし、その多くは持ち家を持たない単身世帯が生活費などで過剰債務に陥ったケースとされ、住宅ローン関連の破綻は本格化していない。かつてのピークである2003年の約24万件と比べると、現在はおよそ3分の1の水準にあたる。
— AI検索で「個人 自己破産 件数 推移」について調べた際の解説より引用
数字だけ見ると不安をあおられますが、中身を見ると、増えているのは主に個人の家計の問題です。
会社を経営する社長の破綻まで同じように増えている、と示すデータではありません。
世の中の自己破産が増えていることと、社長個人が追い込まれることは、必ずしも直結しないんです。
その理由は、会社と社長個人をめぐる、ここ十数年の変化にあります。
「会社の倒産イコール社長の破綻」ではなくなった
かつては、会社が倒れると、連帯保証を背負った社長個人も一緒に行き詰まりました。
それが、半ば当たり前のように受け止められてきました。
会社の借入金の多くに社長が連帯保証人として名前を入れていたため、会社の負債が、そのまま社長個人の負債になっていたからです。
ですが、その流れは近年、大きく変わってきています。
きっかけのひとつが、2013年に定められた「経営者保証に関するガイドライン」です。
これは、会社の借入金に社長が個人保証を付けなくても融資を受けられるよう、金融機関に求めていく国の指針。
法人と個人のお金がきちんと分けられていることなど、いくつかの要件を満たせば、個人保証を外す道が検討されます。
言い換えれば、会社の借入と社長個人の生活を、はじめから分けて考えられる時代になってきたということです。
そもそも、会社が借りたお金だからといって、社長個人のすべてが自動的に差し出されるわけではありません。
会社が背負った借入金と、社長個人のこれからの生活は、本来きちんと切り離して考えられるものなんです。
だからこそ、会社が立ち行かなくなっても、社長個人の破綻まで一直線に進まずに済む道が、以前より広がってきました。
切り離せる幅は早く動くほど広い
ただし、この切り離しは、ほうっておいて自動で進むものではありません。
むしろ、対応が遅れるほど、選べる幅はせまくなっていきます。
たとえば、返済の延滞やリスケジュール(返済条件の変更)に入ってしまうと、話は変わります。
「返済を続けられない状態」とみなされ、個人保証を外す要件からも外れてしまいやすくなります。
結果として、会社と個人を切り離す道は、ぐっと通りにくくなってしまうんです。
だからこそ、まだ業績に余裕があるうちに、足元を確かめておきたい。
次のような点を、一度整理してみてください。
- 会社の借入金に、社長個人の保証がどれだけ付いているか
- 法人のお金と個人のお金の線引きが、あいまいになっていないか
- 自宅や個人の資産が、会社の借入とどこまでつながっているか
どれも、追い込まれてからでは手をつけにくくなるものばかりです。
時間に余裕があるうちなら、打てる手も、相談できる相手も、まだ多く残っています。
逆に、資金繰りが完全に詰まってからでは、選べる時間も交渉の材料もなくなってしまいます。
早めに手を打つほど、会社の問題と社長個人の人生を、別々のものとして扱えるようになります。
会社がだめでも人生はやり直せる
たちばなはじめ自身、かつて事業が破綻し、抱えきれないほどの負債を背負った経験があります。
会社をたたむしかないと弁護士に相談したものの、提示された費用すら払えず、その道も閉ざされました。
そこから金融機関との交渉のしかたを見直し、法的な手続きに頼らずに再起へとこぎつけました。
その経験があるからこそ、はっきり言えることがあります。
会社の苦境と、社長個人のこれからの人生は、別のものだということ。
会社が立ち行かなくなったとしても、社長や家族の人生まで終わるわけではない。
かりに資産を手放すことになっても、社長がこれまで培ってきた経験や技術、人とのつながりまで消えてしまうことはありません。
そこが残っているかぎり、会社をたたんだとしても、もう一度立ち上がっていく力はある。
大切なのは、「会社をどうするか」と同じくらい、「社長と家族の生活をどう守るか」に目を向けることなんです。
会社を残すことだけに必死になりすぎると、いつのまにか社長個人の生活まで、会社の延命につぎ込んでしまいます。
そうなる前に、守るべき一線を決めておくことが大切です。
お金や資産をできるだけ残した形で着地できれば、その後のやり直しは進めやすくなります。
たちばなはじめは、「どんな状態でも、倒産や破産をせずに解決できる可能性を最後まで模索する」という姿勢で支援にあたっています。
会社と個人を切り離せばまだ守れる
個人の自己破産が増えているというニュースは、たしかに重く聞こえます。
ですが、その流れに、社長個人までのみ込まれる必要はありません。
会社の倒産と、社長個人や家族の人生は、切り分けて考えられる。
そのために何より効くのが、追い込まれる前に手を打っておくことなんです。
会社の数字や借入に少しでも引っかかるものがあるなら、それは現在地を見直すサインです。
会社をどうするか決める前に、まず社長個人と家族の生活を守る道を、一緒に確かめておきましょう。
もしあなたがいま、少しでも気にかかることがあるなら、ひとりで抱え込まず、まずは一度ご相談くださいね。
資金繰りの課題を抱える経営者の方へ3つのご案内
あなたの選択肢を、一緒に考えませんか?

