お盆の帰省土産やお中元といえば、地元のお菓子が定番でした。
ですが、その光景がいま、少しずつ変わってきています。
2026年8月、ケーキや菓子店の倒産が過去30年で最も多いペースだという調査結果が公表されました。
「うちは菓子店ではないから関係ない」と思った方も、ちょっと待ってください。
この数字の中身には、小さな会社が追い込まれていく典型的な流れが詰まっているんです。
ケーキや菓子店の倒産が過去30年で最多ペース
まず、調査の中身から見ていきましょう。
2026年1〜7月の「ケーキや菓子店」など菓子小売業の倒産は45件で、過去30年間の同期間で最多を更新した。過去最多だった2025年の58件(1〜12月)を上回るペースで推移している。原因別では「販売不振」が41件(構成比91.1%)と大半を占め、物価高の影響を受けた倒産が15件、人手不足の関連が5件。資本金1,000万円未満の小規模な事業者が31件(68.8%)を占め、形態別では破産が44件(97.7%)にのぼる。
— 2026年8月、東京商工リサーチの調査より
背景として挙げられているのは、円安による小麦や輸入食材の値上がり、そして消費者の節約志向です。
お中元や暑中見舞い、帰省土産といった贈答の習慣が変わり、需要そのものが落ち込んでいることも影響していると分析されています。
コストは上がり、売上は減っていきます。
両側から挟まれているのが、いまの菓子店の姿です。
待っていれば売上は戻るのか?
販売不振と聞くと、「景気が上向けばまた戻る」と考えたくなります。
ですが、今回の販売不振には、待っても戻りにくい性質があります。
一度やめた贈答の習慣は、なかなかもとに戻らないからです。
お中元を1回見送った家庭は、翌年もたいてい見送ります。
帰省土産を我慢することに慣れた人は、値段が落ち着いてももとの買い方には戻りません。
つまりこれは、一時的な売上の谷ではなく、市場そのものが縮んでいく構造的な変化。
そして、こうした「待っても戻らない売上」を抱えているのは、菓子店だけではありません。
贈答品、着物、印刷、冠婚葬祭など、生活習慣の変化とともに需要が細っていく業種は、どの地域にもあるでしょう。
苦しいときの売上挽回策は資金の先食いになる
売上が落ちたとき、真面目な社長ほど「売上を取り戻そう」と考えます。
新商品の開発、広告、ネット販売への挑戦…
その努力自体は立派です。
ですが、たちばなはじめは、資金繰りが苦しくなってからの売上挽回策を、はっきりと否定しています。
理由はシンプルで、売上を伸ばす策には、必ず先にコストがかかるからです。
新商品の開発には材料費と試作の時間がかかります。
広告費は、売上が立つ前に出ていきます。
成果が出るのは数カ月先なのに、現金は今日から減っていく。
ただでさえ苦しい資金繰りのなかで挽回策に踏み込むのは、残った現金の先食いになってしまうんです。
では、値上げはどうでしょうか。
大企業の値上げは通っても、小さなお店の値上げは「それなら買わない」と客離れに直結しがちです。
実際、今回の調査でも「値上げで帰省土産も我慢」という消費の変化が指摘されています。
売上でも値上げでも挽回が難しいなら、考える方向を変える必要があります。
倒産した45件のうち44件が破産という現実
今回の調査で、いちばん見過ごせない数字があります。
倒産した45件のうち、44件が破産で終わっているという事実です。
事業を立て直す形で残った例は、ほとんどありません。
なぜ、こうなるのでしょうか。
小さな会社は手元の資金が薄く、気づいたときには選べる道が残っていないからです。
「まだ大丈夫。来月の売上でなんとかなる」「ここまで続けてきた店を、自分の代で終わらせたくない」
そう思いながら我慢を重ねている間に、預金は減り、支払いは少しずつ遅れ始めます。
限界までしのいで、どうにもならなくなってから相談に行くと、そこから選べるのは法的な手続きくらいしか残っていません。
現金が尽きた状態では、それ以外の道を組み立てる余力がないからです。
倒産や破産は、ある日突然やってくるものではありません。
我慢した期間の長さが、そのまま選択肢の少なさに変わっていくんですね。
余力が残っているうちに事業と返済の形を見直す
では、どうすればいいのでしょうか。
まず確かめたいのは、いまの売上が続いた場合に、手元の現金があと何カ月もつかです。
感覚ではなく、通帳と毎月の支払いを並べて数えてみることをおすすめします。
そのうえで、縮んだ売上に合わせて、事業と返済の形を見直します。
売上が2割減ったのに、借入の返済額だけが以前のままなら、資金繰りが合わなくなるのは当然です。
ここで我慢して返済を続けるのではなく、金融機関との交渉方法を見直して、返済を事業の実態に合った形に組み直す。
この順番なら、手元に現金を残しながら、店や会社の立て直しを考える時間が作れます。
たちばなはじめ自身、かつて自らの事業の破綻を経験しています。
そのとき、法的な手続きに頼ることなく、金融機関との交渉方法を見直すことで再起しました。
その経験から言えるのは、余力が残っているうちに手を打てば、道は1つではないということ。
すでに支払いが厳しくなっている方も、諦めるのはまだ早いです。
私たちは、倒産や破産をせずに解決できる可能性を最後まで探るというスタンスで、支援にあたっています。
限界まで我慢しない
売上が縮んだこと自体は、社長の努力不足ではありません。
問題は、縮んだ売上のまま、以前と同じ支払いと返済を我慢して続けてしまうことです。
我慢が長引くほど、選べる道は減っていく。
逆に、早く手を打つほど、お金も選択肢も多く残せるのです。
会社と社長にお金を残す基本的な考え方は、無料の電子書籍『会社と社長にお金を残す資金繰り改善の教科書』にまとめています。
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もし少しでも心当たりがあれば、まずは一度ご相談くださいね。
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