ゼロゼロ融資が返せないとき…リスケの前に社長がやっておくべき経営者保証の対策

「ゼロゼロ融資の返済が、正直きつい」

そう感じている社長さんも多いでしょう。

そんな中、2026年7月、気になる調査結果が公表されました。

コロナ禍で多くの会社が、実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」を利用しました。

その利用後の倒産が、2年連続で減っているというのです。

数字だけ見れば、ひと安心のように思えます。

が、ちょっと待ってください。

この調査には、見過ごせない一文が添えられているんです。

目次

ゼロゼロ融資後の倒産は2年連続で減少

ゼロゼロ融資は、コロナ禍で売上が落ち込んだ会社を支えるために設けられた融資制度です。

当時は「とにかく借りて急場をしのぐ」のが正解でした。

ですが、据置期間はとっくに終わり、いまは返済が待ったなしの局面に入っています。

今回の調査結果が、こちらです。

2026年上半期(1-6月)の「ゼロゼロ融資」利用後の倒産は157件(前年同期比25.9%減)で、2020年7月からの累計は2,383件に達した。借換保証の返済開始がピークを迎えたが、償還できず、リスケや借換で先送りしている企業も少なくない。

— 東京商工リサーチ「2026年上半期『ゼロゼロ融資』利用後の倒産」調査より

倒産が減ったこと自体は、良いニュースです。

ですが、注目してほしいのは最後の一文です。

「リスケや借換で先送りしている企業も少なくない」という部分です。

倒産が減った本当の理由とは?

倒産が減った=返せる会社が増えた、とは限りません。

ゼロゼロ融資の返済に行き詰まった会社の多くは、借換保証を使って別の借入に切り替えています。

その借換分の返済が、いままさに本格化しているタイミングです。

それでも返せなければ、また借換で返済期限を後ろにずらす。

あるいは、リスケジュール(返済条件の変更)で月々の返済額を減らす。

そうやって、倒産という結果だけが先送りされている会社が相当数ある、ということなんですね。

先送りしている間にも、物価高や人件費の上昇で、会社のお金はどんどん削られていきます。

根本の資金繰りが変わらないまま時間だけが過ぎていき、気がつけば身動きが取れなくなっているのです。

そんな会社が、決して少なくありません。

「月々の返済が減るなら、リスケも仕方ない」

そう考える社長さんの気持ちは、痛いほどわかります。

ですが、リスケにはあまり知られていない大きな代償があるのです。

リスケに入ると経営者保証を外す道が閉ざされる

会社の借入には、多くの場合、社長個人の連帯保証(経営者保証)が付いています。

あなたの会社の借入はどうでしょうか。

どの借入に個人保証が付いているのか、意外と正確に把握できていない社長が多いのです。

もし会社が行き詰まれば、負債は社長個人に、そして家族の生活に降りかかってしまいます。

この経営者保証については、「経営者保証に関するガイドライン」という枠組みがあり、一定の条件がそろえば保証を外せる可能性が示されています。

ただ、実務上の重要な条件の一つに、「リスケジュールをしていないこと」があるんですね。

一度リスケに入ると、財務基盤や返済能力の面で条件を満たさないとみなされ、保証を外す道は事実上閉ざされてしまいます。

保証が残ったまま会社が立ち行かなくなり、結果的に自宅を失ってしまうケースは多いのです。

リスケは、月々の返済負担を軽くする延命策に見えます。

が、実は「自宅や個人資産を守る選択肢」を手放す行為でもあるのです。

この事実を知らないまま、リスケに入ってしまう社長が本当に多いんですね。

リスケから通常弁済に戻れた会社はどれくらいあるか?

もう一つ、見落とされがちな問題があります。

リスケジュールを実行し、一定期間をやり過ごしたあとに通常弁済に戻して、利益を出して存続している会社は、現場の経験則としてほとんど存在しません。

月々の負担を軽くした結果、経営の構造的な課題に手をつける時間とエネルギーが奪われ、、、

リスケ期間が終わるころには、次の延長を申し入れざるを得ない状態になっています。

そんなケースを、たちばなはじめは何度も現場で見てきました。

厳しい話に聞こえるかもしれませんが、これが現実です。

もし信じられないなら、お付き合いのある銀行員や税理士の方に、こう聞いてみてください。

「リスケから通常弁済に戻して、利益を出して存続している会社は、どのくらいありますか?」

おそらく多くの方が、「ない」もしくは「ほとんどない」と答えるはずです。

それほど、リスケで先送りしたあとの立て直しは難しいということなんです。

リスケを決断する前ならできる対策がある

たちばなはじめ自身、かつて6億円の負債を抱えて行き詰まった経験があります。

そこから銀行との交渉方法を見直すことで、法的な手続きに頼ることなく再起しました。

その経験から断言できるのは、リスケを検討する前の段階が、一番選択肢の多いときだということです。

リスケに入る前であれば、こういう対策も可能です。

  • 個人保証を外す方向で、金融機関に交渉する
  • 自宅や個人資産を守る対策を、先に打っておく
  • 返済計画そのものを、無理のない形に組み直す

どれも、リスケに入ってからでは実行が難しくなるものばかりです。

だからこそ、借換やリスケの話が出てきた段階で、一度立ち止まって考えてほしいのです。

とはいえ、すでにリスケに入っている方も、諦める必要はありません。

リスケ後でも、資産を守る手立てや金融機関との向き合い方を見直す余地は残されています。

大切なのは、これ以上の先送りを重ねないこと。

それが、社長自身と家族を守ることにつながるのです。

資金繰りは我慢してはならない

ゼロゼロ融資の返済が重く、借換やリスケの話が頭をよぎっている方もいるでしょう。

もしそうなら、それは会社の資金繰りを根本から見直すサインです。

返済を先送りしても、根本の問題は何も解決しません。

我慢して先送りを重ねるほど、選べる道はどんどん減っていきます。

逆に、早めに手を打てば打つほど、選べる道は広がり、立て直しも早くなります。

もし少しでも心当たりがあれば、まずは一度ご相談ください。

手遅れになる前に動くことが、一番の解決策です。


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