たちばなです。
あまり良い言葉ではないが、あまりにも的を射った言葉・・・「カネの切れ目が縁の切れ目」。
ビジネス上の付き合いはもちろんだけど、時として異性関係においてもそうだし、実は実は夫婦関係に於いても、それは大きく関わる問題なんだ。
読者の大半は、あまり認めたくないだろうと思うけど・・・ワタシの世界では、夫婦関係での金銭関係のもつれが「一番タチが悪い」と言えることもしばしば。
少し前に、とある専業主婦のA子さんから問い合わせを受け、無料リモート面談をした。
「夫の借金に巻き込まれ、困っている」と。
亡くなった父親から引き継いだ家内工業を営み、もうすぐ還暦に手が届くという夫が社長。その弟が専務。
妻であるA子さんが会計担当者、という絵にかいたような家内工業。
「コロナ禍で製品の材料がほとんど入らない」との事で売り上げが大きく減少し、現在は直近の年間売り上げの4倍ほどの借入をしている「超債務超過状態」との事。」
この状態で、A子さんが「夫の借金に巻き込まれている」と言う表現は、男であり夫であるワタシとしては、少々手厳しいと感じた。
売り上げが減少したのは製品の需要減少もあるだろうが、大きな原因はコロナ禍が原因であって「夫の過失」と言うニュアンスでA子さんがワタシに相談を持ち掛けてきたことについて、少し残念に思った事は、面談の最後にご本人にも話した。
イロイロ話したんだが、A子さんは旦那さんとの離婚を考えているようだ。
離婚を考えるに至った原因は、資金繰りでの苦悩以外の理由もワタシの頭をよぎったんだが、それはワタシの仕事の専門外なので口に出さず胸の中に押し込んだ。
「巻き込まれて困っている」とA子さんは会計担当者としてワタシに主張していたんだが、よくよく話を聞いてみたら・・・彼女は連帯保証をしていないことがわかった。
ZOOMの画面越しにチャットを開き、「URL貼り付けますんで、とある法律事務所の弁護士さんの見解を読んでください。」と。
「第三者請求」というワードの検索結果を貼り付けた。
「えっ!?」という声とともに、彼女の表情がガラリと変貌した。
「これによれば、A子さんが会計担当者として、社長の資金繰りの心配をすることは尤もだし、社長の妻と言う近親者として夫の負債の心配を心配することも至極真っ当な事です。
しかしWEBでも記載されている通り・・・・あなたには “夫の負債の問題について心配する権利がない” と言う事になります。
別れる別れないはご夫婦でよく話し合えば良いでしょうし、それはワタシが口を挟むことではありません。
しかし、資金繰りや負債の問題が主たる要因で離婚するのであれば、その手段客観的に見て間違っている、と言う事です。
他の理由があって離婚するのであれば、ワタシごときがとやかく言う事ではありません。」
その後、社長であるA子さんの夫と専務である弟さんと改めて面談し、廃業を考えているとの事なので、それ用にこちらから継続的にアドバイスを送っています。
後に社長から聞いたんだが、
「信用金庫に連帯保証人の追加を要請され、“奥さんはどうだ?弟さんはどうだ?” と問い合わせが来たんだが、即刻断った」と聞いた。
旦那さんには、「妻や弟を巻き込みたくない」という思いは元々備わっていたようだ。
無口な社長は、妻たるA子さんや専務たる弟さんにその気持ちや経緯を話していなかったようだったので、ワタシが後にお二人に話した。
この件について、アドバイザーのポジションになってから9か月・・・・A子さんからメールを頂いた。
「夫は外に働きに出るようになって本業とアルバイトを掛け持ちし、馬車馬のように働いている」と。
「夫婦で話し合い、もう一度やり直す」と。
借金問題に端を発した夫婦関係悪化の要因は「A子さんの勘違い」が起因しているのだが、この勘違いを解消した事でとある夫婦関係の破綻を防ぐことが出来た。
「カネの切れ目が縁の切れ目」と言う言葉があるとともに、逆説的に考えれば、資金的問題の解消をはかれば・・・・「切れそうな縁も切らずに済む」と言う事だ。
それに一部とはいえ関わることが出来、違う意味での救済を出来たことにワタシは大きな自己満足を感じている(笑)
【近親者だからと言って連帯保証人でもない人間に弁済や請求を迫る事は法律違反】と言うのが、弁護士先生の見解。
本投稿の読者にとっては、もはや「常識」の話であろうが、これを知らないが故に「しなくてよい心配」をしている人間は巷に星の数ほどいる、と言う事だ。
確かに、ワタシは6億円の現役多重債務者であることは間違いないが、これまでに妻は一切の請求行為を受けていないし、債権者からの問い合わせも受けていない。
妻は「あたしカンケー無いもん」のスタンスで良いのだ。
おかげさんで・・・結婚16年目。
夫婦関係は良好です。現時点で(笑)
ちなみに・・・今年81歳になった母は、一部連帯保証をしているし書面上の請求行為を受けているが、年に一度あるかないか、といったところ。
「○○銀行だろうが、債権回収だか何だか知らないけど、墓場まで集金に来ればいいわ」なんて言っているし、「たちばなはじめの仕事なんか、あたしだって出来るわよ」と言ってはばからない。
ご存知の方も多いだろうが、あえて書く。
税金や社会保険料を除き、年金は差押え禁止債権であり、受給した年金を元を辿って差し押さえることは出来ないのだ。
ただ、その受給した年金をずっと銀行口座に入れておけば差押えになるので、偶数月の15日には速やかに銀行に出かけ、ATMで全額引き落とす、と言う行為は債務を抱える高齢者にとっては極めて有効なのだ。
銀行にカネを預けることは、決して安全では無いですよ。
便利でもないし、増えるワケでもない。
よく考えてね。