取引先からの催促の電話が、少しずつ増えてきた。
家賃やリース料の引き落としに間に合わず、税金や社会保険料の督促状も、机の上にたまっています。
そんな局面に立たされている社長は、決して少なくありません。
支払いの督促が重なってくると、頭の中はお金の工面でいっぱいになります。
そして、多くの社長が同じ行動に走ってしまいます。
足りないお金を、どこかから借りて埋めようとするのです。
その気持ちは、痛いほど分かる。
ですが、その一手が、かえって自分の首を絞めてしまうことがあります。
では、督促が重なってきたとき、まず何から手をつければいいのでしょうか。
督促が重なったとき、社長がやってしまいがちなこと
資金繰りが苦しくなり、支払いの督促が重なってきた社長には、共通して陥りやすい行動があります。
大きく分けて、次の3つです。
- 督促の連絡から逃げて、相手と連絡を絶ってしまう
- 足りない分を、金利の高い資金調達で慌てて埋めようとする
- 銀行からの信用を失うのが怖くて、銀行への返済を真っ先に守る
どれも、追い込まれた状況では自然に出てしまう動きです。
けれど、この3つはいずれも、あとから振り返ると傷を深くしていたケースが目立ちます。
督促から逃げれば、相手の不安はかえって強まり、態度も硬くなる。
慌てて高い金利で借りれば、翌月からの返済がさらに資金繰りを圧迫します。
そして銀行を真っ先に守れば、本当に守るべきものを後回しにしてしまいます。
苦しいときほど、いったん立ち止まって順番を考えたいところです。
「資金繰りが苦しい」で借入を増やしても、穴の空いたバケツになる
とくに気をつけたいのが、2つ目の「慌てて借りて埋める」という動きです。
「資金繰りが苦しい」と検索すれば、お金を貸す側の広告がずらりと並びます。
苦しいときに資金調達をすすめてくる情報は、世の中にあふれています。
ですが、ここでたちばなはじめが繰り返し伝えているのは、ひとつの問いです。
そのお金は、穴の空いたバケツに注いでいないか。
バケツの底に穴が空いたままなら、どれだけ水を足しても、たまることはありません。
毎月の現金が出ていく構造に手をつけないまま、足りない分を借入で埋め続けると、返済の金額だけがふくらみ、苦しさが次の月に先送りされていきます。
あがけばあがくほど、抜け出しにくくなってしまうのです。
これが、苦しい局面での安易な借入が危ない理由です。
だからこそ、借入を増やすかどうかを考える前に、見ておきたいものがあります。
それが、現金の流れ。
毎月いくら入ってきて、いくら出ていき、どの支払いが、いつ、いくら重くのしかかっているのか。
たちばなはじめが現場で繰り返し説いているのは、「事業の根幹は、事業ではなく会計にある」という考え方です。
利益は、決算が終わってから見えてくる、あとづけの数字にすぎません。
一方で現金は、いま手元にあるかどうかを示す、動かしがたい事実です。
督促が重なってきたときに本当に頼りになるのは、後者のほうです。
数字、とくに現金の流れから目をそらさない。
苦しいときこそ、ここが立て直しの出発点になります。
督促が重なったときこそ、お金の優先順位を確かめる
現金の流れを見たうえで、次に確かめたいのが「お金の優先順位」です。
支払いが重なって全部には回らないとき、何を先に守るのか。
たちばなはじめが現場で伝えているお金の優先順位は、次の5つです。
- 家族
- 従業員
- お客
- 協力企業
- 銀行
家族・従業員・お客様・協力企業を守るのが先で、銀行への返済はいちばん最後にする。
これが、たちばなはじめのコンセプトです。
ところが、追い込まれた多くの社長は、これとは逆の順番で動いてしまいます。
まず銀行の信用を守ろうとして、家族の生活や従業員の給与を後回しにするのです。
自分が我慢すれば何とかなる、と背負い込んでしまう。
その結果、いちばん大切な土台から先に削れていくのです。
銀行は、融資という形でお金を投じた側でもあります。
貸す側もリスクを引き受けているからこそ、返済の順番は最後でいい。
そう考えると、肩の力が少し抜けるはずです。
督促への向き合い方も、この順番の上で見えてきます。
連絡を絶って逃げるのではなく、いまの状況を正直に伝え、いつ・いくらなら払えるのかを示すことが大切です。
逃げないことが、結果として相手の信用をつなぎとめます。
守る順番を決めて、現金の流れに沿って向き合う。
これが、督促が重なった局面での現実的な一手です。
たちばなはじめ自身も、同じ景色を見てきた
たちばなはじめは、かつて燃料油の卸・小売を中心に、複数の事業を営んでいた時期があります。
その事業が行き詰まり、多額の負債を抱えて、返済が立ち行かなくなりました。
支払いに追われ、督促に向き合う日々がどれほど神経をすり減らすか。
その景色を、身をもって知っています。
たちばなはじめが立ち直れたのは、慌てて借りて穴を埋めようとしたからではありません。
金融機関との交渉方法を見直し、法的な手続きに頼らない形で、資金繰りを立て直していったからです。
その実体験こそ、いまの支援活動の出発点です。
どんな状態でも、倒産や破産をせずに解決できる可能性を、最後まで模索する。
お金や資産をできるだけ残した形で、事業を立て直すにしても、整然と畳むにしても、その先の生活基盤を守っていきます。
これが、現場で大切にしてきた姿勢です。
すでに支払いが回らず、督促が止まらない局面にいる社長も、どうかひとりで結論を出さないでほしいのです。
早く動けるに越したことはありませんが、追い込まれたあとでも、まだ取りうる手は残されています。
苦しいときほど、借入の前に現金の流れを見る
支払いの督促が重なってくると、目の前の不足を埋めることに気を取られがちです。
ですが、底に穴が空いたままお金を注いでも、苦しさは先送りされるだけです。
借入を増やすかどうかを考える前に、まず現金の流れを見る。
そして、何を先に守るのかという順番を、もう一度確かめる。
この2つが、立て直しの土台になります。
とはいえ、苦しい局面で現金の流れを見極め、順番をつけていくのは、ひとりではなかなか難しいものです。
何が起きているのかを言葉にするだけでも、次の一歩が見えてきます。
もし少しでも心当たりがあれば、まずは一度ご相談くださいね。
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