事業承継M&Aが過去最多の今…家族を不幸にしないために社長がやっておくべきこと

事業承継やM&Aが活発になっている。

そんなニュースを、最近よく目にするようになりました。

「うちもそろそろ考えないとな」

頭の片隅でそう思いながら、つい後回しにしている社長さんも多いですよね。

実際、会社をどう引き継ぐかという動きは、数字で見てもかなり活発です。

AIで「2025年 M&A 件数 事業承継 過去最多」について調べてみると、次のような解説が出てきます。

2025年のM&Aの成約件数は5,115件、取引金額は35.7兆円といずれも過去最多を記録した。

中小企業の第三者承継(M&A)も令和6年度の成約件数が2,132件と過去最高を更新し、事業承継・引継ぎ支援センターへの相談は累計15万者を超えている。

— AI検索で「2025年 M&A 件数 事業承継 過去最多」について調べた際の解説より引用

会社の「出口」に向けて準備を進める社長が、年々増えています。

これ自体は、とても前向きな流れです。

が、ここで一つ気をつけていただきたいことがあります。

こうした準備が間に合っている会社は、実はまだ一部なんです。

多くの会社では、後継者すら決まっていない。

承継の話を、家族にも誰にも切り出せていません。

そして、その状態のまま社長に万一のことがあったら、、、

残された家族に、思いもよらないものがのしかかってきます。

それが、会社の負債と、社長自身がつけた連帯保証です。

目次

社長に万一があったとき家族に何が起きるのか

会社の借入金には、たいてい社長個人の連帯保証がついています。

社長が元気なうちは、その保証が表に出てくることはほとんどありません。

ところが、社長が突然倒れたり、亡くなったりすると、話は一変します。

会社の負債と、それに紐づいた連帯保証が、そのまま家族のほうへ向かってくるんです。

銀行や取引先、それに経理の担当から、次々と連絡が入る。

「あの契約はどうなっているのか」「来月の返済はどうするのか」と、根掘り葉掘り聞かれたりします。

でも、会社のことを何も知らされていなければ、家族には答えようがありません。

場合によっては口座が凍結されて、お金を動かせなくなることもあります。

督促に追われ、よくわからないまま言われるがまま対応して、どんどん状況が悪くなっていく。

そういうケースは、実際によくあります。

会社の数字や保証の中身が社長一人の頭の中にしかなかったばかりに、家族が一気に追い込まれてしまうわけです。

連帯保証は「した人」も「させた人」も苦しむ

連帯保証というのは、ほんとうに重い仕組みです。

連帯保証人になってしまった人も、連帯保証人にさせてしまった社長も、どちらも苦しむ。

銀行からすれば、お金を貸した相手だけでなく、保証人からも回収できます。

一人ではなく複数の相手から回収できるので、貸す側のメリットは大きいわけです。

裏を返せば、保証人になった家族は、それだけ追い込まれやすい立場に置かれてしまいます。

社長が「自分さえ頑張ればいい」と思っているうちに、その重さは家族にまで広がっています。

「家族には心配をかけたくない」

その思いやりが、かえって家族を準備不足のまま放り出してしまうこともあるのです。

ここを元気なうちに見直しておけるかどうかが、社長にもしものことがあったあとの、家族のその後を大きく分けます。

平常時のうちに手を打っておきたいこと

では、社長は何をしておけばいいのでしょうか。

難しく考える必要はありません。

まずは、会社のお金と保証の全体像を、家族と共有しておくことです。

たとえば、次のようなことです。

  1. 会社にどれだけの借入金があり、毎月の返済がどうなっているか
  2. その借入に、誰がどんな連帯保証をつけているか
  3. 取引銀行や主要な取引先との関係、契約の更新時期
  4. 自宅や事業用の不動産が、非常時にどう影響しうるか

これらが社長の頭の中にしかなければ、いざというとき家族は動けません。

逆に、ざっくりとでも共有できていれば、家族の負担は劇的に軽くなります。

すべてを完璧に書き出す必要はありません。

とはいえ、最低でも借入金の状況、保証の中身、主要な連絡先くらいは、紙にメモする程度でいいので形に残しておきましょう。

そして、もう一つ大事なことがあります。

業績に余裕があるうちに、経営者保証そのものを見直しておくこと。

経営者保証は、リスケジュール、つまり返済条件の変更に入る前であれば、外せる道が残っている場合があります。

ですが、いったん条件変更に入ってしまうと、その道は一気に狭くなってしまいます。

だからこそ、「まだうちは大丈夫」と思える今のうちに手を打つことに、大きな意味があるんです。

苦しくなってから慌てて動くのでは遅すぎます。

後継者に負債を引き継がせないという発想

事業承継というと、自社株を誰にどう渡すか、という話になりがちです。

もちろん、それも大事なテーマです。

ですが、たちばなはじめがより大切にしているのは、その手前の話です。

借入金や連帯保証が残ったまま、会社を引き継がせない。

承継の前に負債の整理に決着をつけて、健全な中核だけを次の世代に渡すのです。

この設計があるかどうかで、後継者のスタートはまるで違ってきます。

負債を抱えたまま継げば、後継者は初日から重荷を背負うことになる。

クリアな状態で渡せれば、後継者は本業に集中できます。

家族にとっても、これほど心強いことはありません。

こうした承継の組み立ては、家族だけで抱え込まなくていいんです。

株式の評価や契約、不動産の扱い、保証の見直しなど、法務や税務の論点が幅広く絡むテーマです。

だからこそ私たちは、顧問弁護士・宅建士・税理士など各分野のプロがチームとなって連携し、社長と一緒に組み立てながら進めています。

まずは現状を家族と共有することから

事業承継やM&Aが過去最多になっている今は、裏を返せば、多くの社長が会社の「出口」を意識し始めた時期でもあります。

その流れに乗るためにも、まず足元を固めておきたいところです。

会社のお金、借入金、そして連帯保証。

これらを家族と共有し、業績に余裕があるうちに保証や負債に手をつけておきましょう。

たったこれだけのことで、社長にもしものことがあっても、家族が路頭に迷う事態は防ぎやすくなります。

承継は、ある日いきなり完成するものではありません。

元気なうちの小さな積み重ねが、家族と会社の未来を守ります。

もし少しでも心当たりがあれば、まずは一度ご相談くださいね。


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