ウエディング会社の破産…新規事業で挽回を図る前に必ずやるべきこと

2026年7月、鳥取県のウエディング会社と関連3社に、破産開始決定が出ました。

結婚式の少人数化やコロナ禍で婚礼の売上が大きく落ち込み、キャンプ場の運営という新規事業で業績回復を図ったものの、資金繰りが続かなかったと報じられています。

「本業が厳しいなら、新しい事業で挽回するしかない」

そう考える社長は多いでしょう。

ですが、資金繰りが苦しいときの挽回策には、大きな落とし穴があるんです。

では、なぜ挽回策は裏目に出てしまうのか。

今回の破産を手がかりに、順にお伝えしていきます。

目次

ウエディング会社と関連3社に破産開始決定

まずは、報道の内容からです。

2026年7月16日、挙式や披露宴のプロデュースを手がける鳥取県米子市の会社と関連3社が、鳥取地方裁判所米子支部から破産開始決定を受けた。新型コロナウイルスの影響による集客の減少や、結婚式の形態の変化で売上が落ち込み、2019年からは町営キャンプ場の指定管理者となって業績回復を図ったものの、資金繰りに余裕がなく、損益改善の見通しが立たないまま2026年5月に事業を停止していた。中核の会社の負債は約3,000万円。

— 2026年7月、鳥取県のウエディング会社の破産をめぐる報道より

実は、この会社は何もしなかったわけではありません。

本業の売上が落ち込むなか、2019年からはキャンプ場の運営という新しい事業に乗り出し、業績の回復を図っていました。

アウトドア需要をつかもうという、方向性としては筋のよい挽回策です。

ですが、そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、挽回は間に合いませんでした。

結婚式の市場は縮小が続いている

背景には、ブライダル業界ならではの厳しさがあります。

そもそも人口減少で婚姻の数自体が減っているうえ、結婚式を挙げない、挙げても少人数で簡素に、という形の変化が進んでいます。

コロナで一度止まった宴会需要は、そのまま元の規模には戻りませんでした。

一方で、式場や提携先、スタッフを抱えるこの商売は、固定費が重い構造です。

市場そのものが縮んでいるのに、毎月の支出は簡単には減らせない。

これは、ブライダルに限った話ではありません。

人口減少が続く日本では、どの業種でも、お客の数を増やすこと自体が年々難しくなっています。

だからこそ、別の事業に活路を求める会社が増えているわけです。

ただ、ここで考えてほしいことがあります。

新規事業や業態転換は、本当に資金繰りの苦しさを解決してくれるのでしょうか。

なぜ挽回策が実らなかったのか?

新しい事業が軌道に乗って、利益が出るようになるまでには、時間がかかります。

ところが、その間も支払いは待ってくれません。

家賃に給料、仕入れ代金、そして借入金の返済です。

売上がまだ戻らないうちから、毎月まとまったお金が出ていきます。

手元資金に余裕がないまま挽回策に賭けると、、、

成果が出る前に、資金のほうが先に尽きてしまうんですね。

実際、今回の報道でも「資金繰りに余裕がなく、損益改善の見通しが立たないまま事業を停止した」とされています。

そうなると、足りない分を追加の借入で埋め、その返済がさらに毎月の支払いを重くしていきます。

気づいたときには資金がどんどん流出し、挽回策の中身より先に、時間切れがやってきてしまいます。

こういうケースは、現場では実際によくある話なんです。

非常時に平常時の対策をしてはならない

資金繰りが苦しくなったとき、多くの社長がまず考えるのは「売上を伸ばす」「経費を減らす」という2つです。

ですが、それは業績や資金に余裕がある平常時のやり方なんです。

たちばなはじめが繰り返し説いているのは、資金繰りの平常時と非常時では、考え方をまるごと切り替えなければならないということです。

非常時に入ったら、売上より先に、まず手元資金を守る。

そして「あと何カ月もつのか」を数字で把握することが先決です。

なぜ、売上より手元資金が先なのでしょうか?

それは、資金さえ残っていれば、立て直しに使える時間を確保できるからです。

この順番を飛ばして売上拡大に突っ込むと、時間との勝負に負けてしまいます。

新規事業も業態転換も、成果が出るまで会社が生き残っていられて、はじめて意味があるのです。

資金が残っているうちに動くのが事業再生の鉄則

たちばなはじめ自身、かつて自らの事業の破綻を経験しました。

返しきれないほどの負債を抱え、会社をたたむしかないと思い弁護士に相談したものの、高額な破産費用が払えず頓挫。

その後、法的な手続きに頼ることなく、自らの力で復活を果たしたという経緯があります。

その実体験をもとに独自の再生スキームを確立し、同じ局面に立つ多くの社長を支援してきました。

その経験から、声を大にしてお伝えしたいこと。

それは、資金が残っているかどうかで、選べる選択肢がまるで違うということです。

資金が残っていれば、新規事業に挑むのか、事業を組み直すのか、金融機関との向き合い方を見直すのか、じっくり選べます。

ですが、資金が尽きてしまうと、挽回策どころか、事業を続けるかどうかの判断すら、自分では決められなくなってしまうんです。

「うちも売上が戻らない」

「新しい事業に賭けるしかないのか」

いま、そう悩んでいる社長に気をつけていただきたいのは、挽回策より先に、資金繰りの現状を直視することです。

そして、もし「もう手遅れかもしれない」と感じているとしても、諦めるのはまだ早いです。

倒産や破産をせずに解決できる可能性を最後まで模索する。

それが、私たちの仕事です。

新規事業で挽回する以外にも、選択肢はあります。

まずは、この事実を知ってほしいのです。

まずは資金繰りの現状確認から

挽回策を考える前に、まず会社の資金繰りを確認しましょう。

毎月いくら出ていくのか、あと何カ月もつのか。

用意するのは、通帳の残高と毎月の支払いのメモだけ。

それを書き出すだけでも、現状はしっかり見えてきます。

そのうえで、新規事業に踏み出すのか、別の道を探すのか、判断しても遅くはありません。

資金繰りは、我慢してはいけません。

早めに対処すればするほど、選択肢は広がり、立て直しも早くなります。

資金繰りだけでなく、事業の立て直しのご相談も受け付けています。

もし気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。


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