借入金利の上昇が本格化…銀行から金利引き上げを打診されても即答してはいけない

「社長、お借入の金利を見直させていただけませんか」

銀行の担当者から、そんな打診を受けた社長が増えています。

2026年6月に日銀が政策金利を1%へ引き上げ、銀行融資の金利は本格的な上昇局面に入りました。

あなたの会社にも、すでに金利引き上げの話が来ているかもしれません。

では、実際に打診されたとき、どう対応すればいいのでしょうか。

目次

銀行融資の金利が上がり始めた

2026年7月、銀行の貸出姿勢に関する調査結果が公表され、話題になりました。

日本銀行が2026年7月17日に公表した主要銀行貸出動向アンケート調査によると、企業向け融資の利ざや設定を示す判断指数が、上位・中位・下位の格付け先すべてでプラスとなり、約17年ぶりの高水準に達した。6月の利上げを受けて、多くの銀行が融資の利回りを引き上げている。

— 2026年7月、日本銀行「主要銀行貸出動向アンケート調査」に関する報道より

利ざやとは、簡単に言えば銀行の儲け幅のことです。

この調査結果が示しているのは、「銀行が融資でしっかり利益を取る方向に舵を切った」という事実です。

政策金利が1%台に乗るのは、1995年以来、約31年ぶりのことです。

長く続いた超低金利の時代は、もう終わりました。

これからは、借りる側が金利と正面から向き合わなければならない時代になっていきます。

なぜ金利引き上げの打診が増えているのか?

まず前提として、変動金利で借りている融資は、基準となる金利に連動して返済負担が自動的に増えていきます。

これは契約上、避けようがありません。

問題は、それとは別に、銀行から個別の「金利見直しのお願い」が来るケースです。

先ほどの調査が示すとおり、銀行はいま、融資先ごとの金利を積極的に引き上げようとしています。

業績が悪い会社だけの話ではありません。

業績が良好な会社にも、「世の中の金利が上がっていますので」と、当たり前のように打診してくる。

銀行にとって、融資は商取引です。

取れるところから利益を取りにいくのは、商売として当然の動きでしょう。

ですから、これからの時代、金利引き上げの打診は「どの会社にも来るもの」と考えておいてください。

また、影響を受けるのは既存の借入だけではありません。

新規の融資や借換えでも、これまでより高い金利を提示される場面が増えていきます。

「借りたいときに、想定より高い金利を求められる」という状況が、これからは当たり前になっていくのです。

金利引き上げの打診に即答してはいけない

ここで気をつけていただきたいことがあります。

「お世話になっている銀行だから」

「断ったら、次の融資に響くかもしれない」

こう考えて、言われるがまま金利引き上げに応じてしまう社長は本当に多いんですね。

が、ちょっと待ってください。

金利は、銀行が一方的に決めるものではありません。

借りる側と貸す側が合意して決める、契約の条件です。

つまり、交渉の対象なんです。

打診を受けたら、その場で即答せず、最低でも次の3つを確認する必要があります。

  1. 引き上げの根拠。なぜ自社が対象なのか、何%から何%になるのかを具体的に確認する
  2. 自社の業績と財務内容。業績が良好で返済実績も積み上がっているなら、それは金利を抑える交渉材料になる
  3. 他行の融資条件。複数の銀行と取引があるなら、条件を見比べてから判断する

もちろん、銀行との関係を悪くする必要はまったくありません。

「一度、社内で検討させてください」と伝えて持ち帰るだけで十分です。

中身を見比べた結果、引き上げを受け入れる判断もあっていいでしょう。

大切なのは、内容もわからないまま「はい」と言わないことです。

一度立ち止まるだけでも、交渉の土台はまったく違ってきます。

返済負担の増加は資金繰りをじわじわ締めていく

「金利が少し上がったくらいで、大げさな」と感じる社長もいるでしょう。

たしかに、0.25%の上昇なら、借入5,000万円で年間の利息負担は単純計算で約12.5万円の増加です。

1億円でも約25万円。

1回の利上げだけを見れば、耐えられない金額ではないかもしれません。

ですが、金利の上昇はこれで終わりとは限りません。

実際、市場では2026年中の追加利上げを見込む声も出ています。

利上げが続けば、利息負担はそのたびに積み上がっていく。

金利の上昇幅が0.5%、0.75%と重なれば、先ほどの負担額は単純に2倍、3倍です。

しかも利息は、売上があってもなくても毎月必ず出ていく固定コストです。

仕入れ代金の高騰、人件費の上昇、そこに利息負担の増加が重なると、会社に残る現金はどんどん削られていきます。

気づいたときには資金繰りが苦しくなっていて、身動きが取れなくなってしまう。

そうならないために、金利が本格的に上がりきる前のいまのうちに、借入の一覧と毎月の返済額、そして手元資金の推移を把握しておくことが大切です。

変動金利の借入がいくらあって、金利が上がったら毎月いくら負担が増えるのか、この数字を把握しているかどうかで、対策の幅が大きく変わってきます。

銀行との向き合い方を見直すとき

たちばなはじめは、かつて6億円の負債を抱えて行き詰まった経験があります。

そこから抜け出すきっかけになったのは、銀行との交渉方法を見直したことでした。

言われるがままに条件を受け入れるのをやめ、対等な立場で話し合う姿勢に変えたことが、資金繰りを立て直す入口になったのです。

銀行に対して「お願いする側」の意識のままでいると、金利も返済条件も、言われるがままになってしまいます。

ですが、融資はあくまで商取引。

借りる側にも、条件を確認し、交渉する権利があります。

金利が上がり始めたいまは、銀行との向き合い方を見直す絶好のタイミングです。

複数の銀行と取引がある会社なら、これを機に、取引行ごとの金利や担保の条件を一覧にして見比べてみてください。

自社の借入の全体像が見えるだけでも、銀行との話し合いは格段に進めやすくなります。

金利引き上げの打診への対応、借入条件の見直し、資金繰りの点検と、ひとつずつ確認していきましょう。

私たちは、金利上昇で先行きが不安な社長の資金繰りや、金融機関との向き合い方のご相談も受け付けています。

もし気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。


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