売上8億円でも会社は潰れる…倒産を防ぐカギは事業ではなく会計にある

「会計や経理のことは、担当者と税理士に任せている」

そんな社長は多いでしょう。

2026年8月、宮崎県の経営コンサルタント会社が破産手続き開始の決定を受けたと報じられました。

年間の売上高は、約8億円あった会社です。

きっかけは、不適切な会計処理の発覚でした。

報道によると、多額の追徴課税を受けたことなどから、資金繰りが急速に悪化したとのことです。

経営の助言を仕事にしていた会社が、会計で行き詰まる。

これは決して、他人事ではありません。

なぜ売上が8億円もあった会社が、立ち行かなくなってしまったのか。

まずは、報道の内容から見ていきます。

目次

売上8億円の会社に何が起きたのか?

宮崎県の経営コンサルタント会社が、2026年7月22日に宮崎地方裁判所から破産手続き開始の決定を受けた。負債総額は約3億円とみられる。不適切な会計処理が発覚し、多額の追徴課税を受けたことなどから資金繰りが急速に悪化。2025年5月期の年間売上高は約8億円だったが、2026年5月末までに事業を停止していた。

— 2026年8月、帝国データバンクの倒産情報を伝えた報道より

売上高は約8億円。

決して小さな会社ではありません。

設立は2018年で、10年もたたないうちに売上8億円の規模まで成長していた会社です。

それでも、不適切な会計処理が発覚してから事業停止までは、あっという間でした。

想定外の大きな支払いが発生すると、手元の現金はどんどん流出していきます。

売上がいくらあっても、手元の現金が尽きれば会社は続けられません。

売上を伸ばすことと、会社を続けられることは、別の問題なんですね。

会社を支えているのは、売上の数字ではなく手元の現金なんです。

実態と違う数字が資金繰りを狂わせる

不適切な会計処理とは、意図的かどうかにかかわらず、実態と異なる内容で会計を処理してしまうことを指します。

今回の会社で具体的に何があったのか、詳細までは報じられていません。

ただ、どんな形であれ、決算書や帳簿が実態とずれてしまうと、会社には深刻な影響が出ます。

  • 自社が本当に儲かっているのかどうかが、わからなくなる
  • 資金繰りの予測が立てられなくなる
  • ずれが発覚したとき、金融機関や取引先からの信頼を一気に失う

決算書は、金融機関がお金を貸すかどうかを判断する土台でもあります。

その数字が実態と違っていたとわかれば、信頼の回復は簡単ではありません。

新たな融資も、期待できなくなる。

とくに怖いのは、実態と違う数字のまま経営判断を重ねてしまうことです。

本当は資金繰りが苦しくなっているのに、帳簿の上では問題がないように見えてしまいます。

そうして対応が遅れている間にも、現金はすり減っていきます。

気づいたときには、手の打ちようがないところまで来ていた、、、

そんなケースは、現場では実際によくある話なんです。

会計を他人任せにしてはいけない

「昔から数字は苦手で」「現場が忙しくて、帳簿まで見ていられない」と、会計を経理担当者や税理士に丸投げしている社長は少なくありません。

ですが、ちょっと待ってください。

営業は、営業担当者に任せられます。

製造も、製造担当者に任せられます。

が、資金繰りだけは、従業員に任せることができません。

「社長、今月は資金が足りなかったので、私が補てんしておきました」

そんな従業員は、どこにもいないでしょう。

お金をつなぐことと、決めること。

これは、社長にしかできない仕事です。

そして、儲けが出ているかどうかは、数字でしか確認できません。

その会計には、足し算と引き算しか存在しないのです。

特別な才能が必要な世界ではありません。

数字が苦手だからと目をそらすことは、社長の仕事を放棄しているのと同じだと、たちばなはじめは一貫して伝えています。

事業の根幹は事業ではなく会計にあり

たちばなはじめ自身、かつて燃料油の卸・小売を中心に複数の事業を営んでいた時期があります。

もともと会計は経理まかせで、自分で細かく数字を追ってはいませんでした。

売上と利益さえ見えていれば、事業は回る。

そう思い込んでいたのです。

ところが、自社の資金繰りが少しずつ苦しくなってきたことをきっかけに、自分で会計を学び始めました。

手書きで伝票を起こし、現金出納帳をつけ、銀行口座の残高を毎日確認しました。

数か月続けると、ある日急に、会社の問題点がはっきり見えてきました。

「こんなに大切なことを、他人任せにしていたのか」

ですが、その努力は実らず、結果的には多額の負債を抱えて、事業は破綻してしまいます。

この経験から、たちばなはじめが繰り返し説いているのが「事業の根幹は事業ではなく会計にあり」という教えです。

利益は、結果として後から出てくる数字です。

現金は、いま手元にあるかどうかを示す動かしがたい事実です。

経営判断のもとになるのは、間違いなく後者です。

「数字、とくに現金の流れから目をそらさない」

これが、たちばなはじめが日々の発信でお伝えし続けているメッセージです。

数字を追いかけることが資金繰り改善の第一歩

今回の報道は、不適切な会計処理という特殊な事情に見えるかもしれません。

ですが、「実態と違う数字で経営をしている」という点では、会計を他人任せにしている会社も紙一重です。

自分で数字を把握していなければ、帳簿が実態とずれていても気づけないからです。

悪気がなくても、処理の誤りや思い込みで、数字が少しずつ実態から離れていくことはあります。

だからこそ、月に一度でもかまわないので、社長自身が数字を見る時間をつくることが大切です。

あなたの会社の帳簿は、実態を正しく映しているでしょうか?

いま手元に現金がいくらあるのか。

今月、いくら入ってきて、いくら出ていくのか。

まずは、この2つを社長自身の目で確認することから始めてみてください。

数字を追いかけることが、リスクを避けることにも、資金繰りの改善にもつながる第一歩です。

もし、すでに資金繰りが苦しくなっているなら、なおさら数字から目をそらしてはいけません。

早めに対処すればするほど、選択肢は広がります。

私たちは、資金繰りや会社の数字との向き合い方のご相談も受け付けています。

もし少しでも心当たりがあれば、まずは一度ご相談くださいね。


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