中東情勢で資金繰りに影響6割超…社長が「まず借りる」前に切り替える非常時の発想

中東情勢の緊迫が、原油や燃料、原材料の価格を通じて、じわりと中小企業の足元に効きはじめています。

「うちは中東と直接の取引はないから関係ない」。

そう感じていた社長ほど、仕入れや輸送のコストが上がりはじめて、はっと気づくことになりがちです。

実際、最新の調査では、すでに資金繰りへの影響を感じている会社に、これから影響が出そうだと身構える会社を合わせると、6割を超えるという結果が出ています。

こうした外からのショックで資金繰りが揺れたとき、多くの会社がまず選ぶのが「とりあえず借りておく」という一手です。

けれど、その前にひとつ、切り替えておきたい考え方があります。

この記事では、中東情勢で資金繰りに不安が広がるいまだからこそ、社長が借入に走る前に立ち止まって確かめたい「非常時の資金繰り」の発想を、たちばなはじめの考え方からお伝えします。

目次

中東情勢で「資金繰りに悪影響」が6割超

まず、足元で何が起きているのかを押さえておきます。

中東情勢の緊迫は、原油価格や燃料費、輸送コスト、原材料価格といった経路を通じて、業種を問わず広く中小企業のコストを押し上げます。

直接の取引がなくても、仕入れ値や運賃の上昇という形で、巡り巡って自社の資金繰りに効いてきます。

そこが、この種の外部ショックの怖いところです。

AIで「中東情勢 中小企業 資金繰り 影響」について調べてみると、次のような調査結果が出てきます。

2026年6月1日から8日に実施された企業向けアンケート(有効回答7,283社)では、中東情勢が資金繰りに「大いに与えている」が8.0%、「少し与えている」が13.2%で、すでに影響が出ている企業は21.2%にのぼった。

これに「現状は与えていないが、今後与えそうだ」とする40.5%を加えると、現在または今後の資金繰りに悪影響が及ぶとみる企業は61.7%に達する。

すでに影響を受けている割合は、大企業の10.0%に対し中小企業は22.0%と、規模の小さい会社ほど影響を受けやすい傾向が示された。

資金繰り対策としては「新規借入をした」が29.3%で最も多く、中小企業では「予定していた人材採用を延期・中止した」が15.0%と、大企業の4.8%を上回った。

— AI検索で「中東情勢 中小企業 資金繰り 影響」について調べた際の解説より引用(東京商工リサーチの公表内容をもとにした解説)

ここで目を引くのは、影響を受けやすいのが規模の小さい会社だという点です。

体力に余裕のある大企業に比べ、中小企業は手元の現金が薄く、コストが少し上がるだけでも資金繰りが一気に窮屈になります。

同じニュースを見ていても、効いてくる重さがまるで違う、ということです。

多くの会社が選ぶ「まず借りる」の前に立ち止まる

先ほどの調査で、資金繰り対策の最も多い答えが「新規借入をした」だった点にも注目してみます。

コストが上がって手元が苦しくなると、まず銀行に向かって運転資金を借り増ししたくなります。

これは多くの社長にとって、ごく自然な反応です。

もちろん、借入そのものが悪いわけではありません。

本当に必要な局面で、計画的に借りるのであれば、資金繰りを支える大切な選択肢。

ただ、たちばなはじめが注意をうながすのは、中身を見ないまま「苦しいから、とりあえず借りておく」と反射的に動いてしまう姿勢です。

外からのショックでコストが上がっている局面では、借りたお金が増えたコストに吸い取られ、返済だけが残るという流れに陥りやすくなります。

その状態でさらに借り増しを重ねると、月々の返済がふくらみ、かえって資金繰りを締めつけてしまうこともあります。

借りるかどうかを決めるより先に、いま自社の現金がどう回っているのかをつかむ。

その順番を逆にしないことが、ここでは効いてきます。

平常時の資金繰りと非常時の資金繰りは違う

たちばなはじめが繰り返し説いているのは、平常時の資金繰りと非常時の資金繰りは、まったく別物だという考え方です。

業績が安定している平常時は、「売上を伸ばす」「経費を削る」といった通常の経営改善で、少しずつ資金繰りを良くしていけます。

けれど、外部のショックでコストが急に跳ね上がるような非常時には、その発想だけでは間に合いません。

そもそも売上は、伸ばそうと思ってすぐ伸びるものではない。

経費の削減にも、すぐに削れる分には限りがある。

その間にも、上がったコストは毎日きっちり出ていきます。

だからこそ非常時には、平常時の改善策と並行して、まず「手元の現金をどう守るか」へ発想を切り替える必要があります。

売上を増やすことや経費を削ることと、いま手元にある現金を減らさないこと。

似ているようで、この二つは別の話です。

非常時に最初に考えるべきは、現金を減らさないことのほうなんです。

非常時にまず守るのは「手元の現金」

では、現金を守るとは具体的にどうすることなのか。

その出発点は、自社の現金がどう動いているかを、社長自身の目でつかむことにあります。

たちばなはじめが土台に置いているのは、「事業の根幹は事業ではなく会計にある」という教えです。

利益は、決算を締めてから後で出てくる数字にすぎません。

これに対して現金は、いま手元にあるかどうかを示す、ごまかしのきかない事実です。

毎月、何にいくら出ていって、返済を済ませたあとにいくら残るのか。

このお金の流れが見えていれば、コストが上がっても、どこが先に苦しくなるのかを早い段階で見通せます。

逆に、流れが見えないまま借入や支払いだけを重ねると、増えたコストと返済の両方に挟まれて、現金はさらに細っていく一方です。

中東情勢のような外からのショックは、自社の力では止められません。

だからこそ、自分でつかめる「手元の現金の流れ」から、まず目をそらさないこと。

それが、次の一手を選ぶための土台になります。

非常時にこそ誰を先に守るのかを決めておく

現金を守ると決めたとき、避けて通れないのが「限られた現金を、何から先に回すか」という判断です。

コストが上がり、入ってくるお金より出ていくお金が増えていく局面では、すべての支払いを今までどおりに続けるのが難しくなることもあります。

そのとき、たちばなはじめが大切にしているのが、人間関係を軸にした次のお金の優先順位です。

  1. 家族
  2. 従業員
  3. お客
  4. 協力企業
  5. 銀行

まず、社長自身とその家族の生活を守る。

次に、会社を支えてくれている従業員、そして商品やサービスを買ってくださるお客、ともに仕事をする協力企業と続きます。

銀行への返済は、この順番のいちばん最後。

銀行に返すお金が、いざというときに家族や従業員の暮らしを削って捻出されるようでは、本末転倒だからです。

もちろん、これは「銀行に返さなくてよい」という話ではありません。

順番を持っておくことで、非常時に何を最優先で守るのかがぶれなくなり、慌てて誤った一手を選ばずにすみます。

外からのショックで足元が揺れたときほど、この優先順位が判断の支えになります。

まとめ 借入に走る前に発想を切り替える

中東情勢を背景に、すでに6割を超える会社が資金繰りへの不安を口にしはじめています。

とりわけ手元の薄い中小企業ほど、外からのショックを重く受けることになります。

こうした局面で多くの会社が「まず借りる」に向かいますが、その前に確かめておきたいことがあります。

平常時の改善策だけでは、非常時は乗り切りにくいということです。

非常時には、まず手元の現金の流れをつかみ、誰を先に守るのかという優先順位を持っておくこと。

この発想の切り替えが、慌てて借入や条件変更に飛びつく前の、いちばん確かな備えになります。

たちばなはじめ自身、かつて事業に行き詰まり、大きな負債を抱えて再起した経験があります。

だからこそ、苦しくなってからではなく、まだ現金が残っているうちに発想を切り替えることの大切さを、繰り返しお伝えしています。

もし、コスト高で資金繰りに先行きの不安を感じはじめているなら、まずは一度ご相談くださいね。

いまの数字を一緒に確かめるところから、打てる手立ては見えてきます。


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次