調味料メーカーの倒産が前年ゼロから8件に…長く続いた会社ほど危ない理由と対策

2026年8月、東京商工リサーチから気になる調査が公表されました。

調味料メーカーの倒産が、今年の1月から7月までで8件にのぼったというのです。

前年の同じ時期はゼロでしたから、まさに異変です。

2026年1-7月の調味料メーカーの倒産は8件で、前年同期のゼロから急増し、過去30年で最多を更新した。8件のうち業歴50年以上の企業が4件と半数を占める。原因別では販売不振が6件(構成比75.0%)で、「物価高」関連が4件、「人手不足」関連が2件だった。

— 東京商工リサーチの調査より(2026年8月公表)

目を引くのは、8件のうち半数が業歴50年以上の老舗だという点です。

長く続いてきた会社が、なぜいま行き詰まってしまうのか。

その背景には、調味料業界に限らず、どの業種にも共通する原因があります。

目次

調味料メーカーの倒産が過去30年で最多に

調味料は、毎日の食事に欠かせない商品です。

需要が消えてなくなったわけではありません。

それでも倒産が過去30年で最多となった背景には、複数の要因が重なっています。

まず、原材料や包装資材、光熱費の高騰。

輸入原料に頼る部分が大きい業界ですから、円安や国際相場の影響を直接受けます。

一方で、調味料は「昔からの値段」のイメージが強く、値上げを切り出しにくい商品でもあります。

スーパーの棚で長年親しまれてきた定番商品ほど、値上げをすれば他社に切り替えられるおそれがあります。

コストは上がるのに、価格に転嫁できない。

その結果、売っても売っても利益が残らない状態に陥っていきます。

実際、倒産した8件のうち6件の原因は販売不振でした。

物価高が引き金になった倒産も、8件のうち4件と半数を占めています。

取引先の苦境は時間差でやってくる

もうひとつ、見落とせない要因があります。

それは、納入先の苦境です。

調味料メーカーの主要な販売先は、飲食店や食品メーカー。

東京商工リサーチによると、居酒屋やラーメン店など飲食業の倒産も過去30年で最多を記録しています。

納入先が苦しくなると、その影響は時間差で川上のメーカーへ届きます。

最初は、注文が少しずつ減っていきます。

次に、値下げの相談が増える。

やがて支払いサイトの延長を頼まれ、最悪の場合は売掛金が回収できなくなります。

そして、入金の遅れは自社の支払いにそのまま跳ね返ってきます。

仕入先への支払い、従業員の給与、借入の返済は、待ってはくれません。

「長い付き合いだから大丈夫」と思っていても、相手の事情は変わるのです。

発注量の変化、支払い条件の相談、いつもと違う担当者の様子。

取引先の変調は、日々のやり取りの中に表れます。

自社の努力とは関係のないところから、資金繰りの悪化は静かに始まるんですね。

なぜ長く続いた会社ほど動きが遅れるのか?

業歴50年以上の会社には、50年続いてきたやり方があります。

昔からの取引先、昔からの値段、昔からの商習慣が、そこには根づいています。

それは会社の財産である一方、変化への足かせにもなります。

「先代の頃からお世話になっているから」と採算の合わない取引を断れず、「うちの味を変えるわけにはいかない」と商品や販路の見直しにも踏み切れない。

こうした義理や誇りが、結果として対応を遅らせてしまいます。

人というのは本能的に変化を嫌うものですし、先代から受け継いだ事業であればなおさらでしょう。

「自分の代でやり方を変えていいのか」というためらいが、決断を鈍らせてしまうんです。

たちばなはじめ自身、かつて50年以上続いた老舗企業を継ぎ、事業のかたちを自分の代で変えることへのためらいを味わった経験があります。

だからこそ、たちばなはじめは伝えています。

歴史や伝統を守るために、不採算を受け入れてはいけない。

ためらっている間にも原価は上がり、注文は減り、手元の現金はどんどん削られていきます。

変化の予兆は数字に表れる

では、どうすれば手遅れになる前に気づけるのでしょうか。

答えはシンプルです。

社長自身が、数字を追いかけることです。

たちばなはじめが繰り返し説いているのは、「事業の根幹は事業ではなく会計にあり」という教えです。

売上と利益だけを見るのではなく、現金の流れを月次で追いかける。

見るポイントは、前年同月比の売上、粗利率、取引先ごとの受注や入金の変化などです。

数字を見ていれば、「あれ、おかしいな」というサインは必ずどこかに表れます。

そして、予兆をつかんだら、様子を見ずにすぐ取りかかる。

採算の悪い取引や商品の見直し、固定費の点検、資金繰り表での先読みと、できることはいくつもあります。

たちばなはじめは、「継続は力ではあるけれど、見切りも力」とも伝えています。

利益の出ない事業や商品を思い切って見切ることも、会社とお金を守る立派な決断です。

あわせて確認しておきたいのが、「手元の現金で、あと何か月もつのか」という数字。

この数字が見えていれば、何から手をつけるべきか、いつまでに動くべきかを冷静に判断できます。

「そのうち戻るだろう」と待っている間に、選べる道は少しずつ狭くなっていきます。

資金繰りは我慢してはいけない

たちばなはじめがセミナーで必ず伝えている言葉があります。

「資金繰りは我慢してはいけない。症状が軽いうちに手を打てば早く改善するし、痛手も小さくて済む」

業歴の長さは、資金繰りを守ってはくれません。

むしろ長く続いた会社ほど、「まだ大丈夫」「これまでも乗り越えてきた」と我慢を重ねてしまいがちです。

ですが、我慢を続けても、状況はよくならない。

症状が軽いうちに動けば、選べる道は断然多いです。

すでに厳しい局面に立っている方も、諦める必要はありません。

どんな状態からでも、倒産や破産をせずに解決できる可能性は残されています。

もし少しでも心当たりがあれば、まずは一度ご相談くださいね。


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