YouTubeチャンネル「社長の資金繰り相談室」の第11回のテーマは、返済のピークを迎えたゼロゼロ融資です。
借り換えの猶予期間が終わり、返済の原資が用意できない会社が増え、倒産も増えているという状況を受けて、事務局の谷本がたちばなはじめに聞きました。
返せないのに、銀行にリスケジュールを頼んでいませんか。
たちばなの答えは、動画の冒頭からはっきりしています。
お時間のないときは、このまま記事だけでもお読みいただけます。
ゼロゼロ融資の返済ピークで倒産が増えている
コロナ禍で外出が制限され、飲食、美容、整体、介護、工務店、物販と、あらゆる市場が縮みました。
お客が減って資金繰りが悪化したところに、市場が戻ってくるのを待つ意味合いで入ってきたのがゼロゼロ融資です。
ところが、市場は戻りきりませんでした。
動画でたちばなが挙げる理由は、ユーザーにお金がないことと、人口が減っていることの2つです。
事業は穴の開いたバケツであり、入れる量より漏れる量が多ければ水位は減っていく。
赤字体質が変わらないまま、そこにお金だけを注ぎ込んだ形になった、というのがたちばなの見方です。
金利はゼロで、返済は2年間据え置き、と動画では振り返っています。
年商と同じくらいの融資を受けて、「今はお金がある」と浮かれた会社も少なくなかったといいます。
猶予期間のあいだに新しい取り組みを始めたり、条件のいい取引先に切り替えたりした会社は、ほとんどなかったそうです。
そして返済が始まったこの2、3年で、たちばなのもとへの問い合わせは一気に増えました。
金利がゼロなら返すのは元金だけ、と言われても、その元金の返済原資がない。
そもそも赤字体質で資金が流出し続けている状況だから、と動画では説明されています。
お金がないから返せないのは悪いことではない
動画でたちばなは、「借金は返すと終わらない、返すから終わらない」という持論をあらためて口にしています。
「返せないんだから、返すのをやめたらいい」
これが、動画の中で示された最終的な結論です。
ただし、ここには大事な線引きがあります。
お金があるのに、それを隠して返さないのはダメ。
一方で、お金がないから返せないのは、悪いことではありません。
不幸なことではあるけれど、仕方のないことだ、とたちばなは話しています。
では、借りたお金を返さないと、どうなるのか。
ここからが、この動画の核心です。

保証協会付きのゼロゼロ融資は保険と同じ
ゼロゼロ融資には、ほぼすべてに信用保証協会の保証が付いている、と動画では説明されています。
借りる側は、事前に信用保証料を払っています。
返せなくなったときに、信用保証協会が自分に代わって金融機関に弁済することを前提に、お金を借りたわけです。
動画でたちばなは、これを「保険と同じ」と表現しています。
だから、リスケジュールをするのではなく、「返済原資がないので、保証協会に代位弁済してもらってください」と銀行に伝える。
保証料は払っているのだから、契約どおりに進めてもらえばいいのです。
これがたちばなの考え方です。
3か月ほど返済ができなければ、信用保証協会が代わりに金融機関へ弁済する仕組みになっている、と動画では語られています。
それが最初から分かっているのですから、借りたお金を放り出したことにはならない、というわけです。
銀行には、保証協会を通じて返す形になるからです。
それなのに、この保険を使うのをためらう事業主がいて、それを断ろうとする金融機関がいる。
「わけがわからない」と、たちばなは動画の中で繰り返しています。
リスケジュールは契約書のどこにも書いていない
ここで、たちばながいちばん不思議がっているポイントに触れます。
リスケジュールは、金銭消費貸借契約書に書いていない、というのがたちばなの指摘です。
「返済に困窮したら、元金を据え置いて利息だけ払えばよいものとする」
そんな条文は契約書のどこにもない、と動画では言っています。
契約に書いていないことを、非常に多くの会社がやっている。
一方で、契約どおりに「返済原資がないので代位弁済してもらってください」と伝える会社は、たちばなが知る限りほとんどいないといいます。
契約どおりに進めたらどうかと提案すると、金融機関から「飲みません」という返事が来ることもあるそうです。
ですが、契約どおりなのですから、相手が飲む飲まないの話ではありません。
許可を求めるようなことではない、というのがたちばなの見解です。
「金融機関の意向に従おうとすると、資金繰りは苦しくなる」
「契約どおりに進めようとすると、資金繰りは楽になる」
金融機関の言うことが契約どおりかどうかは、まったく別の話だ、とたちばなは動画で語っています。
銀行と信用保証協会の関係性は社長には関係ない
では、なぜ金融機関は代位弁済を嫌がるのか。
動画では、銀行と信用保証協会の関係性からその理由が説明されています。
金融機関の担当者も支店も、融資実績がほしいので、基本的には貸したいのが本音です。
ただしリスクは大きいので、信用保証協会の保証を付けたい。
銀行にとって保証協会は、友好的な関係を維持しておきたい相手なのです。
一方、保証を付けたのに代位弁済を求められると、保証協会の担当者の評価にもケチが付きかねません。
そうしたことが続けば、「なぜあの会社に保証を付けろと言ってきたのか」という話にもなるでしょう。
ですが、その人間関係や組織の事情は、借りた側にはまったく関係のないことです。
銀行と保証協会の関係性を守るために、社長が無理な返済をする。
これを、たちばなは「まったくナンセンス」と、あえて声を大きくして強調しています。
社長が気を配る相手は家族・従業員・お客・関係協力先であって、銀行と協会の関係ではない、というのがたちばなの考えです。
あわせて、動画では「借りられる金額と返せる金額は違う」という点も指摘されています。
借りられたからといって、返せるわけではない。
身の丈に合わない借り方をしてしまった会社が、金融機関と保証協会の関係に気を使う必要はない、とたちばなは話しています。
契約どおりに進めるだけなのに、そこになぜ破産が介在するのか、とたちばなは首をかしげています。
「破産したくないなら、契約どおりに返すのをやめて、協会に代位弁済してもらえば終わり」と、たちばなは言い切っています。

言ってからやるのではなくやってから言う
ここまで聞くと、「まず銀行に代位弁済してもらえるよう頼みに行こう」と考えたくなります。
ところが、動画ではここに大事なコツが語られています。
代位弁済を要請しても、「はい、分かりました」とはならない。
事前にお願いをすると、断られたり、嫌な顔をされたりするだけです。
だから、先に実行して、そのあとに言われることに対して「契約どおりに代位弁済を実行してください」と対応します。
これが正しいやり方だと、たちばなは話しています。
日本人は、何かをする前にまず言ってしまいがちです。
言ってからやろうとすると、相手から「やるな」と言われてしまう。
だから、やってから言う、というのが動画の主張です。
「信用がなくなる」と心配する声もありますが、お金を借りられなくなった時点で信用はもうない、と動画では切り返しています。
この感覚を持てない社長が多いのは、金融機関に頭が上がらない状態が長く続き、事後報告などありえないと考えてしまうからだ、とたちばなは見ています。
そこに背中を押す人間が必要だ、というのがたちばなの自負です。
なお、返済をやめると決めてから実際の準備に3か月から半年かかるなら、その間だけ一般的なリスケジュールで時間を稼ぐのはあっていい、という補足もありました。
動画の後半で語られるのは、力の弱い者が強い相手に立ち向かうときの考え方。
鋼の強さでぶつかれば、力の強いほうが勝ってしまいます。
そこで、細くてしなる柳のように、相手の攻撃をいなします。
勝とうとすると負けるリスクがあるので、負けなければいい。
土俵に上がらなければ、そもそも負けないという発想です。
そして、時の経過が問題を解決する、とたちばなは断言しています。
たちばな自身が、それを実際に実行してきた生き証人だという自覚があるからです。
代位弁済をしてもらうにも、コツがある。
基本原則は、言ってからやるのではなく、やってから言うことです。
最後に、相談者の環境によって言うことが変わる話なので、個別の状況についてはご相談ください、というのが動画の締めくくりです。
その他、資金繰り改善や事業再生に関する情報はチャンネル「社長の資金繰り相談室」でご覧いただけます。
ゼロゼロ融資の返済が苦しくなっている方のご相談も受け付けています。
無理なリスケジュールを続ける前に、まずは一度ご相談くださいね。
資金繰りの課題を抱える
あなたの選択肢を、

