借入金の返済より納税が先…資金繰りが苦しいときに守るべき支払いの順番とは?

資金繰りが苦しい時、支払いの順番を考える。たちばなはじめの解説

YouTubeチャンネル「社長の資金繰り相談室」の第9回のテーマは、借入金の返済と納税の順番です。

社会保険料や税金の支払いが滞ったことによる倒産が増えているというニュースを受けて、事務局の谷本がたちばなはじめに聞きました。

その後、2026年10月には、東京商工リサーチから次のような集計も発表されています。

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

コストアップが続くなか、価格交渉での立場が弱い企業の資金繰りは厳しさを増している。過剰債務の解消も先送りし、運転資金を優先して納税(納付)を後回しにせざるを得ない窮境企業の状況を映している。

— 東京商工リサーチ「『税金滞納』倒産168件、前年同期の2倍に大幅増」(2026年10月8日公表)より引用

たちばなは日ごろから、資金繰りが苦しいときこそ「お金の優先順位」を考えようと発信しています。

では、借入金の返済と納税は、どちらが先なのか。

答えは、動画の冒頭で言い切られています。

お時間のないときは、このまま記事だけでもお読みいただけます。

目次

納税は義務であり借入金の返済は義務ではない

社会保険料というと、税金とは別のものに聞こえます。

ですが、たちばなは「社会保険料も税金と同じ」と言い切り、まとめて租税と呼びます。

納税は国民の義務です。

だからたちばなは、「税金を納めなくていい」というアドバイスは一切できないと、最初に断っています。

お金があるのに隠して納めないのは脱税で論外だ、というのがその前提です。

一方で、借入金の元金や利息の支払いはどうでしょうか。

返すべきものではあるけれど、国民の義務ではありません。

この違いが、動画全体を貫く軸になっているんです。

納付書と返済書類を並べて支払いを検討するイメージ

借入金を返すために納税を後回しにするのは逆

たちばなのもとに相談に来る社長の中には、借入金を返すために税金を後回しにしている人が非常に多いといいます。

これに対する答えは、はっきりしています。

「それ、逆じゃないの」

借入金の返済をすることで税金が納められないのであれば、税金を納めるために返済のほうを後回しにし、浮いたお金で納税する。

これが大原則だと、たちばなは話しています。

たちばなが日ごろ伝えている「お金の優先順位」でも、銀行への返済は一番最後です。

家族、従業員、お客、協力企業を守るのが先で、返済はその後です。

その中で納税はどこに入るのか。

動画での答えは明快で、借入金の返済よりも前です。

実際に、たちばなが支援した社長の中にも、納税より返済を優先した結果、役所から売掛金を差し押さえられ、主な収入が止まってしまった方がいます。

返済を後回しにして納税を優先し、赤字の原因になっていた案件を切り離して本業に集中したことで、法的な手続きに頼らず事業と生活を立て直すことができました。

当たり前のこと、つまり納税を果たすために、当たり前ではないこと、つまり借入金の返済を後回しにする。

それが人として正しい順番であり、この当たり前ができない会社は存続していてはいけない、とまで言い切っています。

もちろん、税金が高いか安いかを論じる立場に私たちはありません。

その意思を示せるのは、投票だけ。

いま置かれた環境の中でできることをやるしかない、というのがたちばなのスタンスです。

税金そのものは専門外であり、顧問の税理士や弁護士の助言を受けながら仕事をしていると、動画の中で何度も断りを入れています。

うるさい銀行を優先して静かな役所を後回しにする心理

なぜ、納税より返済を優先してしまうのか。

動画で指摘されたのは、社長の心理です。

銀行は、支払いが少しでも遅れると「信用が」と言ってきます。

一方で税金や社会保険料は、最初のうちはそれほどうるさく言われません。

うるさく言われるほうを払い、言われないほうを納めない。

たちばなはこれを「子どもと同じ」と表現しています。

そのまま甘く見ていると、役所の権限は強く、悪質だと見なされたときには厳しい対応が一気に来ます。

そうした話はよく聞くと、たちばなは注意を促しています。

国民の義務を果たすために、国民の義務でないものを後回しにする。

これは人として、国民としての務めだと、たちばなは言い切っています。

納税できない事業は続けてはいけない

では、返済を後回しにしても、まだ税金や社会保険料が納められない場合はどうするのか。

たちばなの答えは厳しいものでした。

そこまでして納税できない事業は、続けるべきではない。

動画では、インターネット上でも確認できる情報として、破産をしても納税の義務は消えないという点にも触れています。

納税の義務が消えないのであれば、税金や社会保険料が納められない会社が破産をする意味はますますありません。

だからこそ、破産をせずに会社をやめて、少しでも若いうちに次の人生を歩んだほうがいい、というのがたちばなの考え方です。

あわせて、税金から逃れる目的で別の法人を作り、同じ仕事を続けるようなやり方は愚策だと、強く釘を刺しています。

税金逃れは重罪であり、そうした法人の作り替えに対して役所は強い権限を持っている、とたちばなは注意を促しています。

税金はどうやっても納めるしかない。

それが納められないのであれば、早く事業をやめて、早く次の人生に進んだほうがいいのです。

これが、たちばなの一貫した立場です。

支払予定表と通帳で早めに資金繰りを確認するイメージ

傷の浅いうちに立て直す

資金繰りを我慢して、我慢して、ジリ貧になってから手を打つと、立て直しは遅くなります。

立て直しが遅くなれば、その後に事業が持ち直してきても、お金はなかなか借りられません。

一方で、「返済を後回しにしたら、もうお金は借りられなくなる」と思い込んでいる社長も多いのですが、それは思い過ごしだと、たちばなは話しています。

ただし、時間が経てば必ず借りられるというものでもありません。

この先お金が借りられるかどうかの試金石は、きちんと仕事と人生を立て直したあとに、手元にお金ができているかどうかです。

だから、立て直すまでの時間をだらだらと過ごしてはいけない。

立て直しに向けて懸命に働き、好調期にあれば好調を維持できるように懸命に働き、国民の義務をきちんと果たすことです。

体の病気と同じで、資金繰りも早期発見、早期治療です。

早めに手を打つことに尽きる、というのが動画の締めくくりです。

税金や社会保険料を納めなくていい、というアドバイスはできません。

ですが、納めるためにどの原資を使うのか、支払いの順番をどう組み替えるのか。

そこは、一緒に整理することができます。

その他、資金繰り改善や事業再生に関する情報はチャンネル「社長の資金繰り相談室」でご覧いただけます。

社会保険料や税金の支払いが苦しくなっている方のご相談も受け付けています。

傷の浅いうちに、まずは一度ご相談くださいね。


資金繰りが苦しい時、支払いの順番を考える。たちばなはじめの解説

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