社長の急逝で会社は突然止まる…借入と個人保証の整理は元気なうちに

2026年8月、茨城県のタイヤ販売会社とグループ会社、あわせて3社が事業を停止したと報じられました。

タイヤの買い替え需要の減少や仕入価格の高騰に加え、創業者の死去も事業継続を断念した要因のひとつと伝えられています。

長く地域で商売を続けてきた会社でも、社長に万一のことがあると、会社は想像以上にもろいものです。

事業のこと、お金のことが社長に集中しているほど、万一のときの影響は大きくなります。

そして、その影響は事業だけでなく、家族の生活にもおよびます。

あなたの会社の借入や個人保証の中身を、家族は知っていますか?

もし答えが「ノー」なら、少し立ち止まって考えてみてほしいのです。

目次

タイヤ販売の3社が事業停止

まずは、報じられた内容から確認しておきましょう。

茨城県取手市の自動車用タイヤ販売会社とグループ会社の計3社が、2026年8月5日までに事業を停止し、自己破産の申請準備に入った。負債総額は3社合計で約3億7,000万円。タイヤの長寿命化による買い替え需要の減少と原材料価格の高騰が経営を圧迫し、創業者の死去も事業継続を断念する要因となった。

— 2026年8月の報道より

1977年設立ですから、約50年にわたって地域の車社会を支えてきた会社です。

タイヤは性能の向上で交換サイクルが延び、買い替えの回数そのものが減っていると言われています。

そこへ原材料価格の高騰が重なり、業界全体として利益を出しにくい状況が続いていました。

ただ、見逃せないのは、創業者の死去も要因のひとつとされている点です。

経営環境の悪化と社長の万一が重なったとき、会社は一気に立ち行かなくなってしまうのです。

なぜ社長の万一で会社が止まってしまうのか?

中小企業の多くは、会社の重要な情報が社長の頭の中にしかありません。

取引先との約束ごと、借入の状況、個人保証の有無、支払いのサイクル、資金繰りの勘どころなど、挙げればきりがありません。

日々の経営判断は、社長にしかできないことがほとんどです。

経理の担当者がいたとしても、最終的な判断までは任せられないケースが多いでしょう。

その社長が突然いなくなったら、どうなるでしょうか。

想像したくない話ですが、決して他人事ではありません。

銀行や取引先、税理士から次々と連絡が入りますが、、、

残された家族や従業員は、なにも知らないのですから答えようがありません。

資金を動かす判断ができず、支払いが滞り、事業はどんどん回らなくなっていきます。

従業員の給与、仕入先への支払い、借入の返済は、社長がいなくなっても待ってはくれません。

対応が遅れるほど、取引先や金融機関からの信用も揺らいでいきます。

「社長の代わりがいない」という中小企業の現実が、いちばん厳しい形で表面化するのが、社長の万一のときなんですね。

会社の借入金と個人保証は家族に直結する

さらに深刻なのは、お金の問題です。

中小企業の借入金の多くには、社長の個人保証(連帯保証)が付いています。

事業のための借入とはいえ、保証を通じて社長個人、そして家族の生活とつながっているのが実情です。

会社が返済できなくなれば、請求は保証人である社長個人に向かいます。

では、その社長が亡くなっていたら、どうなるのでしょうか。

会社の状況を知らないのは、従業員だけでなく家族も同じです。

残された家族が、保証の存在すら知らないまま、金融機関からの連絡に向き合うことになります。

事業に関わってこなかった配偶者やお子さんであれば、なおさら不安は大きいはずです。

会社にどれだけ返済する力が残っているのか、保証はどの借入にいくら付いているのか、担保はどうなっているのか。

なにもわからないまま、家族は判断だけを迫られていきます。

そして、言われるがままに対応して、どんどん状況が悪化していくケースも珍しくないのです。

取り返しのつかない形で、大切な資産を手放してしまうことにもなりかねません。

会社の借入と個人保証の問題は、社長ひとりの問題ではなく、家族の生活に直結する問題なんです。

元気なうちにやっておくべき3つの備え

では、なにをしておけばいいのでしょうか。

やるべきことは、実はとてもシンプルです。

難しい手続きから始める必要はありません。

次の3つを、ぜひ元気なうちにやっておいてください。

  1. 借入と個人保証の一覧化。どの金融機関からいくら借りていて、誰がどの借入を保証していて、担保はどうなっているのか。事業の状況とあわせて書き出しておく
  2. 家族への情報共有。一覧にした内容と保管場所、いざというときの相談先や付き合いのある専門家の連絡先を、常日頃から家族に伝えておく
  3. 会社の行く末を決めておく。後継者がいてもいなくても、「自分がいなくなったら会社をどうするか」を考えて、家族と話し合っておく

特別な書式は必要ありません。

ノート1冊にまとめて、その存在を家族に伝えておくだけでも十分です。

紙に書き出しておくだけでも、残された家族の負担は劇的に軽くなります。

書きながら、会社の現状を見つめ直すきっかけにもなります。

たちばなはじめが繰り返しお伝えしているのは、「決断は早ければ早いほど、失うものは少なくて済む」ということ。

体調を崩してから、業績が傾いてからでは、選べる道はどんどん狭くなってしまいます。

業績にも健康にも問題がない平常時こそ、備えを仕込む絶好のタイミングなんです。

家族を守る備えは社長にしかできない

社長の急逝という万一はいつ訪れるかわからず、そのとき会社と家族を守れるかどうかは、元気なうちの備えで決まります。

借入と保証の中身を家族が知っているだけで、その後の展開は大きく変わります。

わからないまま迫られる決断と、全体像を見ながら下す決断。

その差は、残された家族のこれからを左右するほど大きいのです。

私たちは、社長の個人保証として残った負債への対策や、家族を守る対策について、生前の備えと万一のあとの対応の両方をお手伝いしています。

すでにご家族の立場で、残された借入や保証に直面している方も、諦める必要はありません。

まだできることはあります。

もし少しでも気になることがあれば、まずは一度ご相談くださいね。


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