「会社が行き詰まったら、もうすべてが終わり」
そう思っていませんか?
2026年8月、民事再生の手続き中にあるEVバスの製造会社について、事業譲渡のニュースが報じられました。
事業を譲り受けるのは、東証に上場している自動車部品メーカーです。
「傾いた会社の事業を、わざわざ買う会社があるのか」と意外に感じるかもしれません。
会社は行き詰まったのに、事業には買い手がついた。
この事実は、資金繰りに悩む社長にとって、今後を考えるうえで大きなヒントになります。
なぜ、傾いた会社の事業に買い手がつくのか。
まずは、報道の内容から見ていきます。
EVバス会社に何が起きたのか?
北九州市のEVバスメーカーは、2026年4月に東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請し、手続き開始の決定を受けた。負債総額は約57億円。納入済みのEVバスに不具合が見つかり、点検やリコールへの対応で信用が低下。一部の取引先との契約解除が重なり、資金繰りが悪化した。2026年8月4日、自動車部品メーカーがスポンサーに決定し、EVバス事業に関する資産や販売済み車両の製品保証を引き継ぐ事業譲渡が発表された。負債は譲渡の対象に含まれないとされる。
— AI検索で「EVバスメーカー 民事再生 事業譲渡」について調べた際の解説より引用
このEVバス会社は、2019年に設立されたベンチャー企業です。
大阪の地下鉄を運営する会社に190台を納入するなど、累計で300台を超えるEVバスを送り出してきました。
2024年12月期の売上高は、約80億円。
EVバスという成長分野で、着実に実績を積み重ねてきた会社です。
ところが、納入したバスに不具合が見つかり、点検やリコールへの対応に追われることになります。
そして信用の低下から取引先との契約解除が重なり、資金繰りが急速に悪化したとのことです。
売上が伸びている会社でも、信用と現金が細れば、あっという間に立ち行かなくなってしまうんですね。
どれだけ注文が入っていても、支払いと入金のバランスが崩れれば、会社は回らなくなります。
この構図は、規模や業種を問わず、どの会社にも当てはまるものです。
倒産しても事業の価値は消えない
ここで注目したいのは、民事再生の手続きに入った会社の事業に、買い手がついたという事実です。
譲り受ける会社は、EVバスの製造で積み上げられた技術やノウハウを、自動運転などの次世代事業に活用する狙いだと報じられています。
つまり、会社の資金繰りが行き詰まっても、事業そのものの価値はゼロになっていなかったということなんです。
これは、特別な話ではありません。
長年つきあいのある取引先、現場で磨かれてきた技術、機械や設備、従業員一人ひとりの経験。
こうした事業の価値は、会社のお金の問題とは別のところにあります。
「うちはもうダメだ」と思い込んでいる社長の会社にも、外から見れば十分な価値が残っているケースは実際に多いのです。
会社の決算書が傷んでいても、事業の中身まで同じように傷んでいるとは限りません。
資金繰りが厳しいことと、事業に価値がないことは、まったく別の話。
この2つを混同して、早々に諦めてしまう社長が本当に多いんです。
だからこそ、資金繰りが苦しくなったときは、お金の問題と事業の問題を切り分けて考える必要があります。
事業は残っても会社はそのまま残らない
とはいえ、手放しで喜べる話でもありません。
今回の事業譲渡で引き継がれるのは、EVバス事業に関する資産や、販売済み車両の保証などです。
報道によると、負債は譲渡の対象外。
つまり、事業は新しい引き受け先で生き続けても、負債の問題は元の会社に残るということです。
行き詰まってから始まる再生には、こうした厳しさがつきまといます。
しかも、民事再生のような法的な手続きは申し立てが公になり、取引先や金融機関の受け止めにも影響します。
そして、資金繰りの問題は、社内だけにとどまりません。
支払いの遅れや不安なうわさが広がれば、取引先は身構え、仕事そのものが減っていきます。
資金繰りが完全に行き詰まってしまうと、、、
選べる道は急速に狭まり、事業の行き先も、会社に何を残せるかも、自分の意思だけでは決められなくなっていきます。
立て直しに使えるはずだった時間と体力も、どんどん奪われていくのです。
そうなる前に手を打てるかどうかが、大きな分かれ目になるんですね。
民事再生の前にできることがある
たちばなはじめ自身、かつて多額の負債を抱えて行き詰まった経験があります。
「もう終わりだ」
そう追い詰められながらも、金融機関との交渉方法を見直すことで、法的な手続きに頼ることなく再起しました。
その経験から言えるのは、早く動き始めるほど、選べる道は断然多いということです。
倒産や破産をはじめとした法的な手続きを得意とする専門家がいる一方、私たちのように法的な手続きに頼らない方法を得意とする専門家もいます。
実は、民事再生のような法的な手続きに進む前にできることは、たくさんあります。
金融機関との交渉方法を見直して返済の組み立てを変えたり、事業に必要なお金や資産を切り分けて守ったり。
こうした立て直しこそ、たちばなはじめの真骨頂です。
民事再生を選ばずに事業を立て直す支援を、これまで多くのケースで重ねてきました。
事業に価値が残っているうちであれば、返済の組み直しも、金融機関との向き合い方の見直しも、まだ自分の意思で選べます。
資金繰りは、我慢してはいけません。
「まだ大丈夫」と耐えている間にも、手元の資金はすり減っていく。
そして気づいたときには、事業の価値まで削られてしまっているのです。
相談のタイミングが早いほど、金融機関との話し合いも、事業の立て直しも、落ち着いて進められます。
事業の価値があるうちに動く
今回のニュースが教えてくれるのは、「会社が傾いても、事業の価値は消えない」という事実です。
ただし、その価値を守れるかどうか、誰のために活かせるかは、踏み出すタイミングで大きく変わります。
行き詰まってからでは、事業の行き先を自分で決められません。
決断が遅れるほど、守れたはずのものから順に失われていきます。
いちばん危険なのは、「もう遅い」という思い込みで立ち止まってしまうこと。
価値が残っているうちなら、法的な手続きに頼らずに、事業も家族の生活も守れる道を最後まで模索できます。
あなたの会社の事業には、あなたが思っている以上の価値があるかもしれません。
諦めなければ、必ず道はあります。
私たちは、資金繰りの立て直しだけでなく、事業や資産を守るためのご相談も受け付けています。
もし少しでも心当たりがあれば、まずは一度ご相談くださいね。
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