2026年上半期、建設業の倒産件数が13年ぶりに1,000件を超えたことがわかりました。
問題は倒産だけではありません。
自ら会社をたたむ休廃業や解散まで合わせると、上半期としては過去最多を更新したと報じられています。
資材の値上がりと職人不足に、毎日の現場で頭を悩ませている社長も多いのではないでしょうか。
「うちも、いつまで持つだろうか」と、ふと不安がよぎる瞬間があるかもしれません。
では、なぜ建設業がこれほどまでに追い込まれているのか。
そして、同じ状況のなかで会社を守るために、いま何を見ておけばいいのか。
順番にお伝えしていきます。
AIで最新の建設業の倒産動向について調べてみると、次のような解説が出てきます。
2026年上半期の建設業の倒産は1,043件で、上半期として13年ぶりに1,000件を超えた。休廃業・解散を含めると5,937件にのぼり、リーマン・ショック直後の2009年を上回って過去最多を更新している。人手不足を原因とする倒産も過去最多となり、そのおよそ4分の1を建設業が占めた。
— AI検索で「2026年上半期 建設業 倒産 休廃業 過去最多」について調べた際の解説より引用
建設業の倒産が高止まりしている原因とは?
数字の裏側には、建設業ならではのいくつもの事情が重なっています。
まず、資材の高騰です。
鉄鋼、木材、コンクリート。
どれも数年前とは比べものにならないほど値上がりしていて、原油から作られる塗料や防水材の供給不安まで加わりました。
見積もりを出した時点の金額では、着工するころには材料費が足りなくなります。
そんなケースも、いまや珍しくありません。
次に、職人の不足と高齢化です。
人手が足りないから外注に頼る、けれど外注費も上がっている。
ベテランの職人が引退していくのに、若い担い手はなかなか入ってこない。
受注はあっても、こなせる体制が組めないという会社が増えているんですね。
そこへ、価格転嫁の難しさが追い打ちをかけます。
元請けとの力関係のなかで、上がったコストをそのまま請負金額に乗せるのは簡単ではありません。
資材も人件費も上がっているのに、受け取る金額は据え置きのままです。
この差が、じわじわと会社の体力を削っていきます。
資材が回ってこない会社から行き詰まっていく
この数字をまとめた帝国データバンクの解説には、もうひとつ見逃せない指摘があります。
同じ建設業の中でも、会社によって置かれた状況の差が大きく開いてきているというんです。
倒産に加えて廃業も4,894件(前年同期比27.8%増)と大幅に増加した。業態別では木造建築工事が947件と9年ぶりに上半期900件を超えたほか、左官工事(67.7%増)、金属製屋根工事(66.7%増)、タイル工事(60.7%増)など専門工事の急増が目立つ。中東情勢に端を発するナフサ不足で、ユニットバスや塗料、断熱材、塩化ビニール管など石油由来の資材に欠品や値上げが相次ぎ、資金力のある大手に資材が優先的に供給される一方、中小の工務店からは「そもそも材料が回ってこない」「仕入れ値が上がりすぎて手が届かない」との声が聞かれる。建設業における「持つ者」と「持たざる者」の経営格差が鮮明になっており、資金繰りに余裕のない小規模事業者や一人親方は、資材の急な値上げと工期の遅延が重なると、資金繰りが急速に悪化しやすい。
— 帝国データバンクの解説より(2026年7月14日配信)
倒産する会社の裏で、自ら会社をたたむ廃業も3割近く増えています。
そして、その分かれ目のひとつが、資材を確保できるかどうか。
同じ工事を受注できる腕があっても、材料が手に入らなければ現場は進みません。
工期が延びれば、入金はさらに先へずれ込みます。
その間も、支払いは待ってくれません。
つまり、資材の調達力の差が、そのまま資金繰りの差になって表れてくるわけです。
売上はあるのに手元の現金が先に消えていく
建設業がとくに苦しいのは、お金の出入りの順番にあります。
工事は、着工から完成引き渡しまでに時間がかかります。
その間、材料費も、外注費も、職人さんへの支払いも、先に出ていくんです。
ところが、工事代金が入金されるのは、ずっと後になります。
手形で受け取れば、現金になるのはさらに先の話です。
つまり、帳簿の上では利益が出ているのに、手元の現金は足りない。
いわゆる黒字倒産が起きやすい構造です。
ここで怖いのは、目先の受注に追われているうちに、現金がどんどん先細っていくことです。
大きな現場をいくつも抱えるほど、先に出ていくお金は膨らみます。
そして、どこか一社の入金が遅れたり、元請けが倒れたりした瞬間に、資金繰りは一気に苦しくなる。
売上の大きさと、会社にお金が残るかどうかは、まったく別の話なんです。
数字から目をそらしてはならない
「昔から数字は苦手でね」
「現場のことは分かるけど、経理は任せきり」
建設業の社長から、こんな言葉をよく聞きます。
気持ちはよく分かります。
ですが、ここだけは譲れないところがあります。
営業や施工は従業員に任せられても、資金繰りだけは社長自身が握っておかなければなりません。
「今月いくら足りないので補てんしておきました」と従業員が報告してくる場面は、まず起こらないからです。
会社のお金をつなぐことは、最後は社長にしかできない仕事なんですね。
だからこそ、たちばなはじめが繰り返し伝えているのは「事業の根幹は事業ではなく会計にあり」という教えです。
売上を伸ばすことや、経費を削ることに目が向きがちですが、非常時に本当に頼りになるのは、いま手元にいくら現金があるかという動かしがたい事実のほうです。
まずは、自社の現金がこの先何か月もつのかを、社長自身の目で確かめてみてください。
守るべき順番を間違えない
資金繰りが厳しくなったとき、どこから先に支払うか。
この順番を決めておくことが、いざというときに会社と生活を守ります。
たちばなはじめが大切にしているお金の優先順位は、次の5つです。
- 家族
- 従業員
- お客
- 協力企業
- 銀行
家族、従業員、お客、そして一緒に現場を支えてくれる協力企業を守るのが先で、銀行への返済はいちばん最後にする。
これが、たちばなはじめのコンセプトです。
建設業では、腕のいい職人や、長く付き合ってきた協力会社こそが会社の財産です。
ここへの支払いを止めてしまえば、人は離れ、次の現場が回らなくなります。
「銀行への返済を後回しにするなんて」と、不安に思われるかもしれません。
ですが、目の前の事業と、それを支える人たちを守ることを優先しなければ、会社そのものが続かなくなってしまいます。
追い込まれてからでも、打つ手はある
ここまで読んで、「うちはもう、かなり厳しいところまで来ている」と感じた社長もいるかもしれません。
それでも、諦めるのはまだ早いです。
資金繰りが苦しいときこそ、やってはいけないのが、我慢して抱え込むことです。
ひとりで背負い込んでいる間にも、現金はどんどんすり減っていく。
そして、追い詰められた末に相談へ行くと、倒産や破産を前提とした話ばかりを勧められてしまうことも少なくありません。
けれど、会社や社長のお金と資産をできるだけ残しながら、倒産や破産をせずに解決できる可能性を、最後まで探る道もあります。
早く動けるほど選べる手は多く残りますが、すでに追い込まれている状況でも、できることはまだ残されています。
大事なのは、厳しくなる前も、なったあとも、ひとりで結論を出してしまわないことです。
資金繰りは、我慢してはいけない
建設業の倒産が過去最多を更新したというニュースは、たしかに重い数字です。
ですが、大切なのは件数そのものより、そのなかで自社の現金をどう守るかということです。
資材が上がっても、職人が足りなくても、手元にお金が残る流れを保てているかどうか。
そこを、社長自身の目で、しっかり見続けてほしいんです。
資金繰りは、我慢してはいけません。
早めに手を打つほど、選べる道は広がり、立て直しもずっと早くなります。
もし、この先の資金繰りや事業に少しでも不安があるなら、ひとりで抱え込まず、まずは一度ご相談くださいね。
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