2026年6月、帝国データバンクから、経営コンサルティング業の倒産と廃業についての調査が公表されました。
2026年の1月から5月までで、倒産と休廃業・解散をあわせて242件。
このままのペースが続けば、年間では過去最多となる600件を超える事業者が、市場から退出する可能性があるといいます。
「コンサル会社の話でしょう」
そう思った社長も多いかもしれません。
ですが、淘汰されている会社の特徴を見ていくと、これは決して他人事ではないと気づくはずです。
AIや時代の変化に置き換えられていく事業には、ある共通点があるんです。
大事なのは、件数そのものよりも、自社が同じ構造に置かれていないかを冷静に確かめることです。
経営コンサルの倒産・廃業が過去最多ペース
まずは、公表された数字を確認してみます。
AIで「経営コンサルティング 倒産 廃業 帝国データバンク 2026年」について調べてみると、こんな解説が出てきます。
2026年1〜5月の経営コンサルティング業の倒産は74件で、集計を開始した2000年以降で最多だった前年(167件)を上回るペースで推移している。休廃業・解散は168件で、前年同期の149件を12.8%上回った。倒産と休廃業・解散をあわせると242件にのぼり、年間では2000年以降で最多となる600件超が市場から退出する可能性がある。国内のコンサルティング市場は2023年度に4兆円を突破し、従業者数も17万人に達したが、拡大期からの転換が鮮明になっている。
— AI検索で「経営コンサルティング 倒産 廃業 帝国データバンク 2026年」について調べた際の解説より引用
倒産だけで見ても、5か月で74件。
1年に直せば、過去最多だった前年の167件を超えていくペースです。
しかも、市場そのものは、4兆円を超えるところまで伸びてきました。
働く人の数も、17万人に達しています。
つまり、市場が縮んでいるわけではありません。
それなのに、倒産と廃業だけが過去最多のペースで増えている。
伸びている市場の中で、退出する会社が相次いでいる。
ここに、今回のニュースのいちばんのポイントがあります。
なぜ“コンサル”が淘汰されているのか?
では、市場が伸びているのに、なぜ多くのコンサル会社が行き詰まっているのでしょうか。
大きな理由のひとつが、生成AIの台頭です。
データを集めて分析したり、提案資料を作ったり。
これまでコンサルタントが時間をかけてやってきた基礎的な仕事を、いまや生成AIが、速く安くこなすようになりました。
その結果、専門性で差別化できない会社から、先に仕事を失っていく。
もうひとつが、「代行業」への依存です。
行政向けの申請書類を作る代行や、補助金の申請代行。
とくに、コロナ禍で急に増えたIT導入やAI導入の補助金申請の代行は、一時期かなり儲かるビジネスでした。
ところが、審査が厳しくなり、参入する業者も増え、ひと通り需要が行き渡ってしまう。
いつのまにか、ビジネスとして成り立たなくなっていました。
帝国データバンクは、淘汰が目立つ事業者の特徴を、はっきりと指摘しています。
それは、独自の付加価値を持たず、制度の「さや抜き」を主な目的にしていた会社。
つまり、自分たちにしか出せない価値がなく、制度とお金のあいだを取り次いで手数料を抜くだけの会社から、先に消えているということです。
これはコンサル業だけの話ではない
ここまで読んで、気づいたことはないでしょうか。
これは、コンサル業界の中だけで起きていることではありません。
AIや時代の変化に置き換えられていく事業には、いくつかの共通点があります。
- 他社やAIでも代わりがきき、独自の付加価値がない
- 自分でつくり出すのではなく、取り次ぎや代行で手数料を得ている
- 売上の多くを、補助金や制度の波に頼っている
- 「安さ」でしか選ばれていない
ひとつでも当てはまるなら、コンサル会社かどうかに関係なく、同じリスクを抱えているということです。
ここで、自社について少し考えてみてください。
紙にメモする程度でかまいません。
- 自社の商品やサービスは、他社やAIに簡単に置き換えられないものか
- 「安いから」以外の理由で、お客さんに選ばれているか
- 補助金や制度ありきの売上に、偏りすぎていないか
- 下請けや取次が中心で、価格を自分で決められない状態になっていないか
もし、気にかかる点がいくつもあるなら、いまは利益が出ていても、足元は思っているより危ういのかもしれません。
付加価値があるかは“数字”でしか分からない
ここで、たちばなはじめが繰り返し伝えていることをお話しします。
ビジネスというのは、本来、何を売っても自由です。
モノを売る、情報を売る、安心を売る、テクニックを売る、経験を売る。
どんな手段でもかまいません。
小売だろうが、建設だろうが、製造だろうが、コンサルだろうが、あらゆる商売の成否は、最後は数字で評価されます。
人望や人柄、長く続けてきた実績では決まらない。
では、その事業に本当に付加価値があるのかどうかは、どこを見れば分かるのか。
それは、利益が、現金として手元に残っているかどうかです。
お客さんが「この会社でなければ」と思って選んでくれる価値があれば、その価値はきちんと利益になって返ってきます。
逆に、AIや他社でも代わりがきく仕事は、値段を買いたたかれ、利益として残らなくなっていく。
AIに代替されるというのは、言いかえれば、その仕事の付加価値が、もう利益として残らなくなったということなんです。
だからこそ、自社の付加価値を確かめたいなら、まず数字を見る。
これが出発点になります。
現金の流れから目をそらさない
こうしたお話をするのは、たちばなはじめ自身の苦い経験があるからです。
たちばなはじめは、かつて複数の事業を営んでいた時期がありました。
ですが、二代目であることに甘え、会社の数字からは目をそらし続けていた。
「従業員に任せている」と言いながら、実際は、自分が向き合うのが面倒で、委ねていただけだったんです。
やがて資金繰りが少しずつ苦しくなり、さすがにこのままではまずいと、ようやく自分で数字に手をつけはじめます。
振替伝票を起こし、現金出納帳をつけ、口座の残高を合わせていく。
そうやって数か月、数字を追いかけていくと、それまで見えなかった問題が、はっきりと姿をあらわしてきた。
ですが、そのときにはもう手遅れで、努力は実らず、多額の負債を抱えて事業は破綻してしまいます。
「こんな大事なことを、人任せにしていたのか」
痛いほど、そう思い知らされたといいます。
この経験から、たちばなはじめがたどり着いた教えが、「事業の根幹は、事業ではなく会計にあり」という言葉です。
利益は、結果として後から出てくる数字。
現金は、いま手元にあるかどうかを示す、ごまかしのきかない事実です。
自社の付加価値が、本当に利益を生んでいるのか。
それとも、忙しいだけで、実は何も残っていないのか。
その答えは、現金の流れの中にあります。
数字から目をそらさず、追いかけること。
それが、AIや時代の波に足をすくわれないための、いちばんの土台になります。
足元を固めた会社が生き残る
経営コンサルの倒産が過去最多ペースというニュースは、コンサル業界だけの話ではありません。
AIや時代の変化は、独自の付加価値を持たない事業から、順番に置き換えていきます。
倒産の件数が増えたか減ったかを眺めていても、自社の資金繰りは1円も変わりません。
見るべきは、件数ではなく、自社にしか出せない価値があるか。
そして、それがきちんと利益として残っているか。
もし、いまの足元に少し不安を感じたとしても、悲観する必要はありません。
数字を追いかけ、自社の付加価値を見つめ直し、資金繰りの足腰を固めていく。
早く動き始めるほど、選べる道は多く残ります。
AI時代だからこそ、足元を固めた会社が、最後まで生き残っていきます。
「うちの強みは、AIや他社に代えられないものだろうか」
そう立ち止まって考えるきっかけになれば、うれしく思います。
資金繰りや事業の先行きで気にかかることがあれば、ひとりで抱え込まず、まずは一度ご相談くださいね。
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