資金繰りが苦しい会社が”立て直し”のつもりで選びがちな逆効果の対処法とは?

資金繰りが苦しくなってきたとき、社長はなんとか立て直そうと手を打ちます。

ところが、その「立て直し」のつもりの一手が、かえって会社を追い込んでしまうことがあるんです。

あなたの会社でも、心当たりはないでしょうか。

目次

倒産は12年ぶりの高い水準になっている

いま、資金繰りに行き詰まる会社が増えています。

原材料の高騰、人件費の上昇、人手不足。

どれもすぐには止まりません。

AIで「2025年度 倒産件数の動向」について調べてみると、次のような解説が出てきます。

2025年度(2025年4月〜2026年3月)に全国で発生した企業倒産は10,505件にのぼり、12年ぶりの高い水準となった。

なかでも人手不足を理由とする倒産は442件と、これまでで最も多くなっている。

— AIで「2025年度 倒産件数の動向」について調べた際の解説より引用

こうした数字を見て、「うちもそろそろ手を打たないと」と感じる社長さんは多いでしょう。

その気持ち自体は、とても大切です。

ただ、苦しいときほど、打つ手の中身には気をつけていただきたいのです。

苦しいときほど”立て直し”のつもりで傷を深めてしまう

資金繰りが回らなくなってくると、まず頭に浮かぶのは「お金を増やすこと」です。

でも、そこで選びがちな対処の多くは、傷を深めてしまいます。

代表的なのが、次の3つです。

  • 新たな借入で、目の前の不足を埋める
  • 売上を伸ばそうと、コストの高い人材を新しく入れる
  • 私募債や劣後ローンで、借りる先そのものを増やす

どれも一見すると「前向きな立て直し」に見えます。

新しいお金が入れば、その月はしのげます。

人を増やせば、売上が戻りそうな気もします。

ですが、ここに落とし穴があるんですね。

なぜ借りて埋める対処は効きにくいのか?

たちばなはじめは、こうした対処を「穴の空いたバケツに水を注ぐ作業」と呼んでいます。

バケツの底に穴が空いたままなら、どれだけ水を足しても、いずれ空になってしまいます。

会社のお金も同じです。

毎月の返済が、利益を吸い取っています。

本業の採算が合っていない。

その構造に手をつけないまま新しいお金を足しても、流れ出ていくスピードは変わりません。

むしろ、借りる先が増えるぶん、月々の負担と気がかりが積み重なっていきます。

資金繰りが苦しいときに、コストの高い人材を入れるのも同じことです。

売上が戻る前に、給与という固定費が先に出ていく。

増販やコスト削減も、余裕がないときに急にやろうとすれば、かえって首を絞めてしまうんです。

私募債や劣後ローンも、形は違っても、借りたお金であることに変わりはありません。

返せないところに調達先を足せば、向き合う相手が増えるだけです。

苦しいときに必要なのは、お金を「足す」ことではありません。

流れ出ていく穴のほうを、先に見つけること。

立て直しの前に まず現金の流れを確認する

たちばなはじめがいつも言っているのは、「事業の根幹は事業ではなく会計にあり」という言葉です。

もう少しかみくだくと、こうなります。

利益は、結果として後から出てくる数字。

現金は、いま手元にあるかどうかを示す、動かしがたい事実です。

経営判断のもとになるのは、後者のほうです。

帳簿の上では黒字でも、手元の現金が細っていれば、会社は止まってしまいます。

だからこそ、「数字、とくに現金の流れから目をそらさない」。

これが、たちばなはじめが日々お伝えしているメッセージなんです。

立て直しの一手を打つ前に、まず確認していただきたいのは、この一点です。

毎月いくら入っていくら出ていき、そのうち返済にどれだけ持っていかれているのか。

ここがはっきりすると、足すべきは新しい借入ではない、と見えてくるはずです。

難しい計算は要りません。

直近の数か月、通帳の残高がどう動いてきたかを振り返るだけでも、流れは見えてきます。

残高が毎月じわじわ減っているなら、それは構造から来ているサインです。

その小さなサインを、見て見ぬふりしないことが、立て直しの本当の出発点になるんです。

借入の負担そのものを見直す道もある

では、返済が重くて現金が残らないとき、どうすればいいのか。

選べる道のひとつが、金融機関との交渉方法を見直すことです。

借入を増やすのではなく、いまある借入との向き合い方を変えるという発想です。

法的な手続きに頼らずに、会社にお金を残しながら立て直していく道も、たしかにある。

ここで一つ、見落とされやすい大事な話があります。

返済条件の変更、いわゆるリスケジュールに踏み切る前に動けるかどうかで、選べる手の幅は大きく変わるんです。

たとえば代表者保証を外せる可能性を残すには、リスケに入っていないことが大切になります。

月々の負担を軽くしたつもりが、家族や個人の資産を守る道のほうを狭めてしまう。

そんな構造があることは、知っておいて損はありません。

支払いの順番についても、ひとつだけお伝えします。

たちばなはじめの考え方は、銀行への返済を一番最後にする、というものです。

家族、従業員、お客様、協力企業を守るのが先。

苦しいときこそ、この順番を崩さないでください。

すでに資金繰りが厳しい社長へ

ここまで読んで、「もう手遅れかもしれない」と感じた方もいるかもしれません。

でも、諦めるのはまだ早いです。

たしかに、早く動けるほど選べる道は広く保たれます。

ただ、すでに苦しい状況に立たされている社長にも、まだ取れる手は残されています。

どんな状態でも、倒産や破産をせずに解決できる可能性を最後まで探る。

これが、現場で一貫して大切にしてきた姿勢です。

大事なのは、苦しくなってから慌てて新しいお金を足すことではありません。

いま会社のお金がどう流れているかを確かめ、構造のほうに目を向けることです。

その一歩が早いほど、立て直しは早くなります。

会社と社長にお金を残す基本的な考え方は、無料の電子書籍『会社と社長にお金を残す資金繰り改善の教科書』にまとめています。

お手元に置いてみてください。

たちばなスキームの全体像を学びたい方は、たちばなはじめが直接お伝えするセミナーも、定期的に開催しています。

教科書の内容を概論としてお伝えする学びの場です。

資金繰りだけではなく、事業再生のご相談も受け付けています。

気がかりなことがあれば、無料の個別相談で現状を一緒に確かめるところから始めましょう。

もし少しでも心当たりがあれば、まずは一度ご相談くださいね。


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