日々の仕事や資金繰りに追われて、「自分にもしものことがあったら」という話は、つい後回し。
そんな社長は多いでしょう。
でも、急な病気や思わぬ事故は、年齢に関わらず誰にでも起こり得る。
そのとき一番困るのは、なにも知らない家族と後継者です。
事業の状況、資金繰り、会社の通帳、取引銀行との関係、連帯保証の有無、取引先との約束ごと、貸付や借入、資産状況などなど。
これらが社長の頭の中にしかなければ、、、
社長がいなくなった瞬間、事業が止まり、生活基盤が揺らぐ恐れもあるでしょう。
「もっと早く備えておいてくれていたら」
これは、決して脅しでも、作り話でもなんでもありません。
現場では実際によくある話なんです。
後継者不在のまま社長がいなくなったら
後継者が決まらないまま社長がいなくなったとき、最前線に立つのはご家族です。
一番多いのは、息子さんや娘さんが事業に関わってこなかったケース。
経理担当はじめ、銀行や取引先、税理士から連絡が入り、根掘り葉掘り聞かれたりしますが、、、
なにも知らないのに答えようがないですよね。
社長からなんの引き継ぎもないまま、ご家族が「会社の代表」として扱われ始めるわけです。
残高、借入金、月々の支払い予定、未回収の売掛金。
最低でも「会社のお金がいまどうなっているか」という現状を把握していないと、答えようもありません。
もし口座を凍結されたりすると、資金を動かせなくなってしまいます。
督促の嵐に耐えかねて、よくわからないのに言われるがまま動いて、どんどん状況が悪化していくというケースも珍しくないのです。
「お金の流れ」を見える化しておく
社長がいなくなったとき、家族にとって最優先で必要になるのは、会社と社長個人の「お金の流れ」です。
具体的には、取引銀行と支店、各口座の残高、毎月の入出金の主な相手、借入金の残高と毎月の返済額、そして連帯保証の有無。
これらをまとめておくだけで、トラブルを回避し、家族の負担も劇的に軽減します。
連帯保証は、特に重要。
社長個人として連帯保証を負っているか、金額はいくらか、保証先はどこか。
これが見えないまま相続すると、もし負債があった場合、財産だけでなく負債も相続することになってしまいます。
相続するか、相続放棄するか。
負債の有無や大きさで、その判断は変わってきます。
社長本人が元気なうちに、負債の状況、連帯保証の有無、返済の進捗などの情報を、家族に共有して起きましょう。
事業の状態は「数字」と「関係性」の両面で残す
お金の流れに続いて家族に共有しておきたいのは、事業の状態です。
直近の試算表や決算書、主要な取引先、契約の更新時期、社員の雇用条件などなど。
これらは経理担当や顧問税理士が持っている場合もありますが、社長の頭の中にしかない情報も多いでしょう。
現場の数字だけで、事業は引き継げません。
取引先や社員との関係性など、数字には現れない要素も事業の引き継ぎには重要です。
とはいえ、すべてを書き残すのは難しいかもしれません。
なので、最低でも主要取引先、銀行支店ごとの担当者の名前、会社のキーマンなど。
事業運営のために、特に重要な要素は必ずメモを残しておくようにしてください。
家族と後継者候補との合意を見える化
社長が元気なうちに、家族や後継者候補と話しておくべきことは、お金や事業の数字だけではありません。
「自分にもしものことがあったとき、どうしてほしいか」
この意思を、ざっくりでも構わないので文字にしておくことが重要です。
事業を売却してもいいのか、家族のうち誰かに引き継いでほしいのか、清算もありなのか。
社長の「優先順位」が言葉になっていれば、家族や後継者は、その選択肢の中で迷わず判断できます。
逆に、何の意思表示もないままだと、社長の意思に反する選択をされてしまう可能性もあります。
そういうケースは実際によくあります。
社長不在になる前に、社長の意思を明文化しておきましょう。
「保管場所」と「伝える相手」をセットで決める
お金の流れ、事業の状態、家族との合意。
これらをまとめても、いざというときに家族の目の届くところになければ意味がありません。
準備した情報の保管場所と、最初に連絡してほしい相手を、セットで決めて忘れずに伝えておきましょう。
金庫や鍵付きのファイルにまとめたり、顧問税理士に一式を預けたり、家族にそのまま渡したり。
いろんな社長がいますが、方法はどれでも構いません。
重要なのは、家族のうち少なくとも一人が「いざとなったらここを開ける/ここに連絡する」と知っていること。
社長一人で完結させず、常日頃から情報を共有しておくことが大切です。
後継者がいないうちから備える
後継者が決まらない、と悩む社長は多いです。
でも、決まってからではなく、もしもの場合を想定して、常日頃から備えをしておきましょう。
お金の流れ、事業の状態、資産状況や連帯保証、家族との合意事項、重要書類の保管場所や連絡先などなど。
これらを平常時のうちから整理しておくことで、トラブル回避はもちろん、安心して事業に打ち込み、じっくり後継者を探すこともできます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
資金繰りの課題を抱える経営者の方へ3つのご案内
あなたの選択肢を、一緒に考えませんか?

