2026年5月の倒産が映す二極化…大型案件の陰で進む中小零細の資金繰り悪化問題

「上場企業が大型倒産」というニュースが続いた2026年5月。

報道で目を引くのは、いつも負債総額の大きさです。

ところが、その数字の陰で静かに積み上がっているのが、地方の中小・零細企業の倒産です。

大きな見出しの裏で、いったい何が起きているのか。

2026年5月に各地で出てきた倒産統計を手がかりに、社長が今のうちに確かめておきたい数字の話を、私たちの実感とあわせてお伝えします。

目次

2026年5月の倒産統計が映した二極化

まず、足元の数字から。

東海地方では、5月の企業倒産が前月と同じ68件でした。

ところが負債総額は、前月比で5倍以上に膨らんでいます。

上場企業の大型倒産が1社あっただけで、地域全体の負債額が跳ね上がってしまうわけです。

AIで「2026年5月 東海3県 企業倒産」について調べると、次のような解説が出てきます。

2026年5月の東海3県(愛知・岐阜・三重)の企業倒産は68件で、前月と同数。

一方、負債総額は上場企業の大型倒産の影響で前月比5倍以上に拡大したとされています。

— AI検索で「2026年5月 東海3県 企業倒産 負債総額」について調べた際の解説より引用

同じ5月、岡山県では倒産が10件、負債総額は4億1,600万円でした。

件数こそ二桁前半ですが、5か月連続で二桁が続いており、小規模・零細企業の倒産が目立つという指摘が添えられています。

大型倒産が負債総額を押し上げる地域もあれば、小さな倒産が途切れずに続く地域もある。

これが、いまの倒産の実態です。

負債総額の数字が見落とさせるもの

倒産のニュースは、どうしても負債総額の大きさで語られがちです。

「○○億円の負債を抱えて倒産」という見出しのほうが、目に留まりやすいからです。

ただ、この見せ方には落とし穴があります。

大型倒産は1社で負債額を押し上げますが、件数としてはあくまで1件。

対して、中小・零細の倒産は1件あたりの負債は小さくても、数として静かに積み上がっていきます。

負債総額の大きいニュースばかりに目がいくと、「うちのような規模の会社には関係ない話だ」と感じてしまいやすいのです。

でも、件数として積み上がっているのは、まさにその「うちのような規模」の会社のほうです。

背景にあるのは、コスト上昇分を価格に転嫁しきれない中小企業の苦しさです。

AIで「2025年度 全国企業倒産 中小企業」について調べると、次のような解説が出てきます。

2025年度(2025年4月〜2026年3月)の全国企業倒産は1万425件で、2年連続で1万件を超えた。

小規模倒産が大半を占め、物価高や人件費の上昇、金利負担の増加といったコスト増を販売価格に転嫁できず、資金繰りが悪化した中小・零細企業の厳しい状況が背景にあるとされています。

物価高を要因とする倒産は963件で過去最多、人手不足を要因とする倒産も400件超で過去最多になったと報じられています。

— AI検索で「2025年度 企業倒産 1万425件 物価高 人手不足」について調べた際の解説より引用

物価高、人件費、金利。

大きなニュースになりにくい要因が、件数の側からじわじわと影響しているのです。

それが、いまの倒産トレンドの正体です。

大企業と中小・零細で倒産の「その後」はまるで違う

もうひとつ、見出しの数字には表れにくい事実があります。

同じ「倒産」という言葉でも、大企業と中小・零細では、その後にたどる道がまったく別ものです。

規模の大きな会社は、何百億円という債務であっても、債務の免除や再編によって会社や経営陣が生き延びる場面があります。

一方、中小・零細はそうはいかない。

会社の借入に社長個人の保証がついていることがほとんどで、会社の倒産が、そのまま社長個人の破産や家族の生活へ直結してしまうからです。

負債総額の大きさだけを見ていると、この差は見えてきません。

でも、社長にとって本当に重いのは、負債の金額そのものよりも「自分と家族の暮らしがどうなるか」のほうです。

だからこそ、件数で増えている中小・零細の倒産は、統計の一行ではなく、自分ごととして受け止めておく必要があるのです。

「うちはまだ大丈夫」のうちに確かめたい数字

では、何から確かめればいいのか。

たちばなはじめが繰り返しお伝えしているのは、平常時の資金繰りと非常時の資金繰りは、まったくの別ものだということです。

業績に余裕があるうちは、「売上を伸ばす」「経費を削る」という発想で十分まわります。

ところが、資金繰りが本当に厳しくなってきた非常時には、その延長線上の発想だけでは間に合いません。

手元の現金がいくら残り、何月に何がショートしそうなのか。

そこから目をそらさないことが先になります。

利益は、結果として後から出てくる数字。

現金は、いま手元にあるかどうかを示す動かしがたい事実です。

経営判断のもとになるのも、銀行との対話で土台になるのも、結局はこの現金のほうです。

そして、いざ資金が苦しくなったときに何を守るのか。

その順番も、平常時のうちに決めておく必要があります。

たちばなはじめが繰り返し伝えているお金の優先順位は、次の5つです。

  1. 家族
  2. 従業員
  3. お客
  4. 協力企業
  5. 銀行

家族・従業員・お客様・協力企業を守るのが先で、銀行への返済は一番最後にする。

業務上の支払いの順番ではなく、誰のためにお金を使うのかという順番です。

この優先順位がはっきりしているかどうかで、非常時に踏みとどまれる幅は大きく変わってきます。

倒産・破産だけが終着点ではない

とはいえ、すでに資金繰りが回らず、「もう廃業しかない」と感じている社長もいらっしゃるかもしれません。

そんな局面でも、結論を急がないでください。

たちばなはじめ自身、かつて事業の失敗で返済が立ち行かなくなった経験があります。

そのとき選んだのは、法的な手続きで一気に畳む道ではなく、金融機関との交渉方法を見直していく道でした。

その積み重ねで、法的な手続きに頼ることなく再起したのです。

私たちは、「どんな状態でも、倒産や破産をせずに解決できる可能性を最後まで探る」というスタンスで支援にあたっています。

大切なのは、事業を立て直すにしても、整然と畳むにしても、その後の生活基盤になるお金や資産をどれだけ残せるかです。

倒産・破産という手続きを取った瞬間に失われてしまうものを、できるかぎり手元に残す形を探ること。

金融機関との向き合い方を見直すときには、契約や税務、不動産といった実務の裏づけも欠かせません。

だからこそ、各分野の専門家と連携しながら、法的な面でも無理のない形で進められるよう支えています。

社長おひとりですべてを背負う必要は、どこにもありません。

数字から目をそらしてはならない

大型倒産のニュースは、たしかに目を引きます。

でも、件数で静かに増えているのは、ニュースになりにくい中小・零細の倒産のほうです。

「うちはまだ大丈夫」と思えるうちにこそ、手元の現金と返済の重さ、そして守るべきものの順番を、一度確かめておきましょう。

もし少しでも心当たりがあれば、まずは一度ご相談くださいね。

早めに手を打つことが、一番の解決策です。


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